研究課題
本研究の目的は、「連想計算エンジンGETA(Generic Engine for Transposable Association)」が高速実行する連想計算の数学的構造を「連想計算の代数」として明らかにし、理論的基礎づけを与えるとともに、代数構造に基づくプログラム変換を用いるGETAの並列連想計算方式を提案し、実用的システムを実装することによりその有効性を検証することである。平成16年度で得られた主な成果は次の通りである。(1)GETAでサポートされている各種類似性計量による連想計算を一般化し、連想計算を含むデータマイニングにおける並列分散アルゴリズムの記述を容易にすることを目的として、「拡張行列演算」と呼ぶ並列アルゴリズム記述の枠組みを提案した。この枠組みは行列演算の加算および乗算の演算子を一般化したものである。枠組みの持つ計算パターンは少ないが、行列演算のアナロジーがアルゴリズム記述を容易かつ簡潔にしており、また問題に対し適切な演算子を定義することができるためその表現力は高い。また、行列計算の並列化に関する研究は多く、同様にこの枠組みの分散並列化も行うことができる。(2)連想の計算機構として、連想する世界と連想される世界との関係を表現するための定式化が必要である。その第一歩として,双方向変換言語Xを設計し、簡単な応用例として構造化文書と構造化文書の表示との関係をXで表現できることを示した。Xは文書から文書の表示への変換を記述するための言語であり、Xで書かれた全ての変換に対して、その逆変換である表示から文書への変換の自動導出が可能である。
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情報処理学会論文誌 46(PRO ?)(予定)
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