研究概要 |
本年度は,ロボットのプログラミング開発環境となるマルチスレッドLispにおける実時間応答性を高めるために不必要になったメモリ領域を回収するごみ集め処理(GC)による中断時間をできるだけ短くするための実時間GC処理の導入を以下のような手順で行った. (1)マルチスレッドLisp : EusLispのソースツリーの整理 現産総研の松井氏のもとでオリジナルソースが管理されているEuslispの処理系において,そのごみ集め処理部を実時間GC機能で置き換える形でのソースプログラムの整理を行った. (2)実時間GCの実現 実時間GCとして京都大学湯浅教授らのもとで開発されたリターンバリア方式による実時間GC機能をEuslispへ統合することを行った. (3)実時間OS上への移植 EusLispにリアルタイムOSのシステムコールを利用した実時間スレッド機構を実装すべく,リアルタイムOSであるART-Linux上にEuslispを実装した. (4)実時間Lisp環境からヒューマノイドロボットを動かすための制御ソフトウェアの構築 周期実行処理,および,センサからのイベントに対応する処理を,EusLispのスレッドにより記述し,実時間GCの性能評価を行った.
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