研究課題
本研究では「空間辞書」と「空間スキーマ」という2つの切り口が重要と考え、それぞれを理論的に体系化するとともに、実際に実システムを構築し、また実際の空間データを利用したり制作することにより、われわれが提案する枠組みの健全性の検証を行った。(I)空間辞書(または、分散位置情報サービス、分散地図情報ウェブサービス):空間辞書とは、ある項目に対して、対応する空間情報(たとえば、位置や形状や方向)が登録された辞書である。空間辞書の具体例は地図データ、地名辞書、電話番号表、郵便番号表などである。空間辞書は、辞書としてさまざまなコンテンツから参照されるため、厳密性・正確性・網羅性などの品質の高さが重要視されるデータである。(II)空間スキーマ(または、空間メタデータ。これを基本に空間コンテンツ融合を実現する):あらゆるコンテンツに空間情報をメタデータとして付与する仕組みは重要である。ただし、われわれが提案するマルチメディアコンテンツの内容記述モデルでは、位置(ロケーション)だけでなく、視点と注視点・方向・画角・世界座標と写真座標・2Dと3D・注釈(ラベル)・空間精度・可視性・対象距離・大きさ・縮尺などの、より高度な空間情報の利用を仮定しており、これらの空間メタデータをマルチメディアコンテンツの「空間スキーマ」と呼ぶ。空間スキーマが付与されたコンテンツは、空間キーにより検索が可能になる。また、コンテンツで空間スキーマを持つものを空間コンテンツと呼ぶ。空間辞書と空間コンテンツの違いは、URLとHTMLの違いに近く、前者は厳密性と品質の高さが重要であるが、後者は記述の開放性・簡便性が重要である。空間コンテンツ自身も、品質が保証されれば空間辞書として用いることができる。また、既存の空間辞書を用いて、デジタルコンテンツに空間情報を追加することが可能である。また、不足している情報を相互に補完させ、さらには相互発展させる枠組みも重要であり,これに関しても体系化を行った。
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