研究課題/領域番号 |
16016229
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
高野 健人 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80126234)
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研究分担者 |
中村 桂子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00211433)
福田 吉治 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (60252029)
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キーワード | 予防医学 / 情報通信技術 / 健康管理 / モバイルケア / 生活習慣病 / 耐糖能異常 / 費用効果分析 |
研究概要 |
1.耐糖能異常者を対象としたモバイルケアプログラムの効果に関する実証的研究 対象者は、東京近郊A診療所にて糖尿病および耐糖能異常の診断にて外来通院治療を行っている者から、本研究への参加の同意が得られたものとした。 平成13〜15年度に開発したプログラムを改良し、耐糖能異常および糖尿病患者を対象としたモバイルケア・プログラムを実施した。プログラムは3ヶ月間とし、第3世代携帯電話を用いた医師・栄養士による健康相談、デジタル写真による栄養調査および身体活動量測定に基づく食事・運動指導を行った。身体測定値、血液生化学検査値、生活習慣および行動科学的健康意識調査、栄養調査による栄養素摂取状況、身体活動量を指標としてプログラムを評価した。 結果として、プログラムの前後において、検査値(ヘモグロビンA1c)の低下、栄養摂取状況の改善、身体活動量の増加が認められた。対象者のプログラム受容は良好であり、本プログラムは、外来治療と併用することで、血糖値の良好なコントロールのための食事療法と運動療法に対する支援効果があることが確かめられた。 2.生活習慣病有病者数等の推計と通信型健康管理プログラムのレビュー 国民栄養調査、国民生活基礎調査、患者調査等の既存資料を用いて、わが国における生活習慣病(糖尿病・耐糖能異常、高血圧、高脂血症)の有病者および患者数、生活習慣(肥満者、喫煙者、運動不足)の要改善者数を推計した。結果、生活習慣病有病者は1620〜3110万人と見積もられ、有病者に比した未治療中の者の割合が特に高い若・中年層で高いことがわかった。生活習慣病要改善者は2510〜4120万人と推計された。また、これまでに開発・実施された通信型健康管理プログラムについて、有効性、費用対効果、現在の利用状況等をレビューし、本研究で開発・実施したプログラムを含めて、その社会的普及の可能性と課題について検証した。
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