研究概要 |
近年,鍵進化ディジタル署名及び鍵進化公開鍵暗号という鍵進化公開鍵暗号系の概念が注目を浴びている.現在,鍵進化公開鍵暗号は双線型ディッフィヘルマン問題という特殊な問題に基づくIntrusion-resilient暗号が2003年に初めて提案されたが,処理量が大きく実用的でない.また2004年に,モデル化の提案がされ,特定のForward secure暗号から,Intrusion-resilient暗号の実現が可能になった.しかし,任意のForward secure暗号からの構築や,汎用的な一方向性関数を用いたIntrusion-resilient暗号の構築については,未解決である. そこで,上記の鍵進化公開鍵暗号の問題点に対して,本研究においては,汎用的なForward secure暗号の構築,鍵進化公開鍵暗号のForward secure暗号に基づく構築,効率的な鍵進化公開鍵暗号の構築,鍵進化公開鍵暗号の汎用的な一方向性関数に基づくモデルの構築,等の課題について研究を行う. 特に,本年度については,上記概念の応用として,公開鍵に基づくブロードキャスト暗号について研究を行った.ここで,従来の公開鍵ブロードキャスト暗号方式は,ヘッダサイズ,保管鍵のサイズ共にあまり効率的でない.このような問題に対し,本提案では,ユーザの木構造から直接鍵導出の木構造を生成することで,保管鍵のサイズ,ヘッダサイズを抑えたIDベースブロードキャスト暗号を実現した.
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