研究概要 |
分散Webマイニングアルゴリズム,P2Pコンテンツ流通を視野にいれたWebマイニングアルゴリズムの研究開発を継続している.特に,分散インデックスの高速化・高効率化,実ネットワークにおける安定運用に関わるP2P情報フィルタリングシステムの課題解決,階層型問合せルーチング機構に関するシステムの解析的な性能評価結果を踏まえた研究を行っている. 本年度は,システム構築を中心に進め,階層型問合せ機構を備えたシステムを実験ネットワーク上に実装した.具体的には,実ネットワーク環境に近いネットワーク構築を行うため,転送遅延ルータ用PC上にNistNetを用いた転送遅延ルータを実装し,8台のPCのメッシュ接続,及び,管理用PCからなる擬似インターネット環境を構築した.このシステムにより,転送遅延時間などを変化させることが可能なネットワーク環境が実現でき,プライベートネットワーク上において,我々の提案する階層型問合せ機構を実装したP2P情報共有システムにおけるスケーラビリティなどに対する性能特性評価を行うことが可能となる.また,P2P情報フィルタリングにおける問合せルーチング機構における転送メッセージ数や遅延時間評価,ピアクライアント数のスケーラビリティに関する性能評価,セキュアなコンテンツ交換機構に関する研究,JXTAにおけるQRPの拡張の提案などを行った. また,Webマイニング技術に関わる研究として,データベースとデータマイニングに関わるコンテンツの類似検索アルゴリズムの提案,並びに,性能評価を行った.また,コンテンツ流通に伴う利用者アクセスに基づくコンテンツ・アーカイブ機構の提案や,高次元データに対する問合せ処理とインデックス機構に関わる研究を進めている.
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