研究課題
人間と共生する機械を実現するためには、システムがユーザや状況のモデルに応じて適応的に行動することが重要であると考えられる。したがって我々は、音声対話によるインタフェースにおいて、協調的な応答を生成するための機構について研究を進めてきた。具体的に昨年度までに、音声対話システム(京都市バス運行情報案内)において、協調的な応答を生成するためのユーザモデルに関する研究を行ってきた。ただし、対話制御については人手で規則を記述する必要があり、大規模なドメインやモデルへの適用が困難であった。そこで本研究では、ユーザや状況のモデルに基づいて、プランニングにより対話制御・応答生成を行う枠組みを考え、このプランニング(プランを動的に選択する機構)を機械学習により実現することを目指す。本研究ではまず、観光、レストラン、市バスの3ドメインからなる京都市ボイスポータルシステムを設計した。これに対して、習熟度、ゴールの明確さ、性急度のユーザモデルと、時間、場所、イベントの状況のモデルを用いたプランニングを導入した。プランはドメインプランと発話プランの2階層からなり、ドメインプランを決定することで次に提供する情報内容を決定し、発話プランを決定して具体的な応答を生成する。これらのプランは、前記のモデルをパラメータとする線形の評価関数で規定される。ロールプレイ形式で行う模擬対話サンプルによりこの学習を行うことにより、ユーザに適応した対話プランの選択を実現することができた。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (6件)
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