研究分担者 |
安本 慶一 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (40273396)
中田 明夫 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (60295839)
山口 弘純 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (80314409)
梅津 高朗 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (10346174)
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研究概要 |
多数の携帯端末と有線ネットワーク上のサーバを介した分散協調アプリケーションを開発する場合,同時にサーバにアクセスする携帯端末の台数や当該アプリケーションの制御構造などに応じて適切な台数のサーバの複製を分散配置することで負荷分散を図ったり,複製間でデータの整合性を図る必要がある.しかし,これらの負荷分散はそのアプリケーションが対象とする携帯端末の台数やサーバ・携帯端末の性能,通信路の性能などに依存して異なる負荷分散の仕組み(複製の台数・配置,処理対象オブジェクトの分散配置や処理順序の決定,など)を作る必要がある.Gridコンピューティング分野で研究されているリソースの動的配置の仕組みやツールの利用が考えられるが,これらの方式では,端末とサーバが短時間で頻繁に相互通信するような環境を想定していない.一方,最近の携帯端末とサーバを介した分散協調アプリケーションでは,迅速な反応が要求され,アプリケーションに適した負荷分散が必要である.本研究では,新しい分散協調システムとして近年注目されているサービスオーバレイの概念に基づき,複数のユーザからのアクセスを考慮して,ネットワークのピーク帯域利用率を最小とするような分散協調オーバレイネットワークサーバ群のプログラムをサービス要求の記述から自動で導出する.これにより、限られたネットワーク資源をバランスよく利用し,多数のユーザがアクセスするもとでもそれらユーザに対する応答時間をなるべく小さくする分散協調システムを容易に構築することができる.実ネットワークを想定したシミュレーション実験により,提案手法の有用性を示している.
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