研究課題/領域番号 |
16016274
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
塩沢 由典 大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 教授 (00109076)
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研究分担者 |
村上 晴美 大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 助教授 (40305644)
橋本 文彦 大阪市立大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (30275234)
中島 義裕 大阪市立大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (40336798)
谷口 和久 近畿大学, 経済学部, 教授 (80268242)
小野 功 徳島大学, 工学部, 助教授 (00304551)
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キーワード | エージェント・ベースド・シミュレーション / 人工市場 / U-Mart / 制度設計 / マーケット・マイクロ・ストラクチャ / 経済物理学 / 複雑系経済学 / 共通テストベッド |
研究概要 |
マシン・エージェントとヒューマン・エージェントが同時に参加できる人工先物市場U-Martシステムを用いて、制度設計や制度による市場の間接制御法を確立する事を目的に研究活動を行っている。例年通りマシン・エージェントやヒューマン・エージェントを公募して公開実験を開催した。国際大会UMIE2004にはマシン・エージェントが36体参加した。競技や研究内容は国際会議AESCS04及びNAACSOS2004で報告した。また、マシン・エージェントとヒューマン・エージェントの両方を募集した国内大会U-Mart2004には5体のマシン・エージェントと23人のヒューマン・エージェントが参加した。その内容については進化経済学会で報告した。これらの大会の実験データを分析し、ポジションコントロールの学習効果や、ポジションの偏在が乱高下を引き起こす事などを明らかにした。 制度に関する研究として、マーケット・メーカーに関する本格的な研究が始まった。基礎モデルとして、自分自身のポジションにのみ依存して売り気配と買い気配を提示するマーケット・メーカーを作成した。様々な条件で、有効性と実現性をチェックした。その結果、まったく流動性を提供しない市場に、このマーケット・メーカーを参加させた所、取引量が3.5倍に増えた。ランダムに流動性を提供するエージェントに比べても10%以上取引量が増えた。更に、このエージェントが安定的に売買代金の2%程度の収益をあげる事がわかった。これは、マーケット・メークを行う専業者が存在可能であり、また市場参加者からすると、売買代金の2%程度のコストで流動性を確保できる事を意味する。これらの成果は、ICEESで報告した。
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