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2004 年度 実績報告書

発話・身振り・呼吸の個人内・個人間での協調を生態力学的に制約する情報に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16016290
研究機関国立情報学研究所

研究代表者

古山 宣洋  国立情報学研究所, 情報学基礎研究系, 助教授 (20333544)

研究分担者 三嶋 博之  福井大学, 教育地域科学部, 助教授 (90288051)
高瀬 弘樹  東京電機大学, 21世紀COEプロジェクト, 助手 (60345725)
キーワード発話 / 身振り / 呼吸 / 協調 / 認知科学 / ダイナミカル・システムズ・アプローチ / 生態心理学
研究概要

本研究は,発話と身振りの個人内及び個人間における協調を可能にする機構を生態力学と心理言語学の観点から明らかにすること,特に発声の下位系である呼吸運動に着目して,発話と身振りの協調を生態力学的に制約する情報を特定することを課題としている.
前年度までに、母音の発声と手首の伸展・屈曲運動を同期させる協調実験を、個人内協調と個人間協調に関してそれぞれ実施した。その結果、発話と身振りの協調では,それが個人内協調であるか,個人間協調であるかに関わらず,協調系がF4(約1.2Hz)付近において質的に転換すること,またF4からF10にかけて,どちらのモードにおいても酷似した協調状態へ向かうことが明らかにされた.今年度は、このような構音と身体運動との間のこのようなダイナミクスに、呼吸運動がどのように関わっているかを検討した。その結果、試行が進むに連れて、呼吸運動は、質的に異なるいくつかのパターンを示すこと、また、パターンの主要な転換点が、1.2Hzをピークに正規分布していることが明らかとなった。これらの分析から、発声と手首運動とのあいだの協調ダイナミクスの質的な転換と、呼吸運動のパターンの質的な転換とが密接に関わっていることが推察される。
今後は、このような協調ダイナミクスに、これまでの研究で使われた実験系に、言語的な意味を導入し、言語的意味を含む語や表現の構音と身振り運動の同期課題を与えた場合に、ダイナミクスにどのような変化が起こるかを観察し、そのことで、言語的意味と発声-身振りダイナミクスをさらに明らかにしていく予定である。今後さらに研究を進め,コミュニケーションにおける身体協調を成立させている情報と機構に迫っていく所存である.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Intra- and Inter-personal Coordination of Speech, Gesture and Breathing Movements2005

    • 著者名/発表者名
      K.Hayashi, N.Furuyama, H.Takase
    • 雑誌名

      人工知能学会誌 20・3

  • [雑誌論文] Inter-personal coordination among articulations, gesticulations, and breathing movements- A case of articulation : of /a/ and flexion of the wrist.2005

    • 著者名/発表者名
      N.Furuyama, K.Hayashi, H.Mishima
    • 雑誌名

      Studies in Perception and Action VIII. A poster book for ICPA XIII in July, 2005

  • [雑誌論文] 自然会話における発話,身振り,呼吸運動の協調への生態学的アプローチ-物語説明課題の話者における個人内協調データの検討2004

    • 著者名/発表者名
      古山宣洋, 高瀬弘樹, 林浩司
    • 雑誌名

      生態心理学研究 1.1

      ページ: 105-110

  • [雑誌論文] 発話・身振り・呼吸の協調に関する研究(3)2004

    • 著者名/発表者名
      古山宣洋, 高瀬弘樹, 林浩司
    • 雑誌名

      日本心理学会第68回大会大会論文集

      ページ: 992

  • [雑誌論文] 視線運動と呼吸運動の協調に関する研究2004

    • 著者名/発表者名
      高瀬弘樹, 古山宣洋, 林浩司, 杉本晃宏
    • 雑誌名

      日本心理学会第68回大会大会論文集

      ページ: 995

  • [雑誌論文] 発話・身振り・呼吸の協調に関する研究(4)2004

    • 著者名/発表者名
      林浩司, 古山宣洋, 高瀬弘樹
    • 雑誌名

      日本心理学会第68回大会大会論文集

      ページ: 993

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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