研究課題/領域番号 |
16017222
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
合田 仁 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90361617)
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研究分担者 |
井上 純一郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (70176428)
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キーワード | TRAF6 / Toll-like receptor / NFκB / MyD88 / TRIF / 自然免疫 / マクロファージ |
研究概要 |
TLRのシグナルにおけるTRAF6欠損の影響を、種々のTLRを発現しているマクロファージを用いて解析した。TRAF6 KOマウス由来の脾臓細胞をM-CSF存在下で培養することにより、TRAF6欠損マクロファージを調製した。 1、MyD88依存的経路のみを有するTLR2、5、7、9を介したシグナルの解析 ヘテロ由来およびKO由来のマクロファージを、MALP-2(TLR2/6)、BLP(TLR1/2)、Flagellin(TLR5)、R848(TLR7)、CpG-DNA(TLR9)で刺激した後、NFκBおよびMAPK(JNK、p38、ERK)の活性化を検出したところ、すべての刺激においてTRAF6欠損マクロファージではそれらの活性化が消失していた。さらに、TNF、IL-6のサイトカイン産生もTRAF6欠損マクロファージでは消失していた。 2、TRIF依存的経路のみを有するTLR3を介したシグナルの解析 TLR3のリガンドであるPoly(I:C)刺激に対してNFκB、MAPKの活性化は、ヘテロ由来およびKO由来ともに同程度に誘導された。また、IFN-inducible geneであるIP-10の産生および細胞表面のCD86の発現増強についても変化はみられなかった。 3、MyD88およびTRIF依存的経路を有するTLR4を介したシグナルの解析 TLR4のリガンドであるLPS刺激に対して、TRAF6欠損マクロファージではNFκB、MAPKの活性化の遅れが観察された。しかし、TNF、IL-6産生はTRAF6欠損細胞で顕著に低下していた。一方、IP-10の産生、CD86の発現増強には顕著な差異がみられなかった。 以上の結果から、TRAF6はMyD88の下流に位置し、MyD88依存的経路において必須の分子であるが、TRIF依存的経路には関与しないことが判明した。
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