研究課題
ショウジョウバエ複眼特異的にEigerを発現するトランスジェニックフライでは、TAK1/JNKに依存した顕著な細胞死を伴った複眼サイズの縮小が認められる。このショウジョウバエと、ゲノムの70%以上ををカバーする一連の染色体欠失系統とを交配し、Eigerの過剰発現による複眼サイズの縮小を回復あるいは増悪させる系統をスクリーニングした。1次スクリーニングとして大きな染色体欠失系統を用い、2次スクリーニングとして1次スクリーニングで得られた染色体領域をカバーする狭い領域の染色体欠失系統を複数用いて責任領域の絞り込みを行った。現在までに複数の当該系統を得ており、その絞り込まれた領域に存在する変異系統との交配を進めている。得られた遺伝子の一つとして、ほ乳類におけるTNFシグナルに関与するアダプター蛋白質TRAFファミリー分子のホモログ(DTRAF2)が同定された。ショウジョウバエを用いたRNA干渉法によってDTRAF2を複眼でノックダウンするとEigerによる複眼の縮小をほぼ完全に回復することができた。免疫沈降実験によりEigerの受容体機能分子の一つであるWengenとの物理的な相互作用を検討した結果、WengenとDTRAF2が結合することが明らかになった。DTRAF2に関しては最近になって変異体が同定され報告された。この変異体は正常に発生し、交配可能な成虫になる。興味深いことに、DTRAF2変異体はグラム陰性菌感染によるIMD経路の活性化がおきないことが示された。この表現型はDTAK1変異体と似たものであり、Eigerによって活性化されるWengen/DTRAF1/DTAK1というシグナル経路が感染シグナルの伝達に関与することが示唆される。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (6件)
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