研究課題
昨年に引き続き、ショウジョウバエ複眼特異的にEigerを発現するトランスジェニックフライ(GMR-eiger)での顕著な細胞死を伴った複眼サイズ縮小を指標にしたドミナントモディファイアースクリーニングを行った。このスクリーニングによってD-mkk4を欠損した染色体欠失系統はeigerによる複眼の縮小をほぼ完全に抑制することが明らかになった。一方このドミナントモディファイアースクリーニングによってミトコンドリアエネルギー代謝に関わる遺伝子が複数同定されてきた。その中にはcytochrome c-d, pyruvate carboxylase, cyt-b5 reductaseが含まれる。TNFシグナルにミトコンドリアエネルギー代謝系が含まれてきたことは、ミトコンドリアが主要な活性酸素種の産生部位であることを考えると興味深い。上記のスクリーニングによってショウジョウバエアポトーシスに必須の染色体領域Df(3L9H99欠失系統がeigerによる複眼縮小のドミナントモディファイアーとして得られた。この領域にはIAP(inhibitor of apoptosis protein)に結合してその活性を失わせる3つの遺伝子reaper,hid,grimが存在する。変異体を用いた解析からhid単独変異体がeigerによる複眼縮小を強く抑制した。HIDの標的である、DIAP1の過剰発現がhid変異体と同様にeigerによる複眼縮小を強く抑制した。よってHID/DIAP1によるカスパーゼ活性化制御系がEigerの下流で動員されることが示唆された。DIAP1レベルがEigerによる細胞死感受性決定に重要であるため、内在性DIAP1分解経路に関わる遺伝子の遺伝学的スクリーニングを行った。その結果、内在性DIAP1分解に必須の新規のキナーゼを同定した。
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