研究課題/領域番号 |
16017236
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
後藤 敏 福井大学, 医学部, 助教授 (00211920)
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研究分担者 |
小松 孝行 福井大学, 医学部, 助手 (20215388)
竹内 健司 福井大学, 医学部, 助手 (40236419)
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キーワード | パラインフルエンザウイルス / センダイウイルス / インターフェロン / 抗インターフェロン蛋白質 / C蛋白質 / STAT1 / 脱リン酸化 |
研究概要 |
パラインフルエンザウイルス1型(センダイウイルス(SeV))の主要な抗インターフェロン(IFN)蛋白質は、C蛋白質である。C蛋白質は、IFNシグナル伝達経路(JAK-STAT経路)を遮断することにより感染細胞における抗ウイルス状態の成立を阻止する。このJAK-STAT経路の遮断には、C蛋白質とシグナル伝達分子STAT1との結合が必須であると考えられてきたが、意外なことに、C蛋白質からSTAT1結合能を奪っても、IFN-γ応答阻害活性は失われないことを明らかにした。 C蛋白質のSTAT1結合領域はC末端領域(aa.85-204)にある。この領域内にある170番目のアミン酸Phe(F)をSer(S)に変異させたC蛋白質C^<F170S>はSTAT1結合能を失う。これにともない、C^<F170S>は、IFN-α応答阻害能をほぼ喪失したが、IFN-γ応答阻害能については、Cよりわずかに劣るものの、十分な能力を残していた。C^<F170S>は、IFN-γ刺激STAT1チロシンリン酸化やセリンリン酸化を抑制せず、またSTAT1ダイマーであるGAFの形成や、GAFの核への移行も阻害しなかった。したがって、C^<F170S>によるIFN-γ応答阻害は、GAFの核移行後の過程を標的としていることが明らかとなった。以上の結果から、C蛋白質には、以前報告したSTAT1結合に依存したIFN-γ応答阻害機構に加えて、STAT1結合に依存しない阻害機構も備わっていることが推定された。核に移行したチロシンリン酸化STAT1は最終的に脱リン酸化をうけ、再び細胞質にもどり再利用されることが知られている。興味深いことに、このSTAT1の脱リン酸化過程はC、C^<F170S>のどちらによっても阻害されていた。
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