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2005 年度 実績報告書

マラリア原虫スポロゾイトの肝臓細胞への感染機構

研究課題

研究課題/領域番号 16017243
研究機関三重大学

研究代表者

鎮西 康雄  三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60024709)

研究分担者 油田 正夫  三重大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90293779)
石野 智子  三重大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40402680)
キーワードマラリア原虫 / スポロゾイト / 肝臓感染 / ネズミマラリア / EST解析 / 遺伝子ノックアウト
研究概要

血流に乗って肝臓の類洞に達した原虫は、類洞壁のクッパー細胞を「通過」し肝実質に達した後、肝細胞に「寄生」する。原虫がいかに肝細胞を認識し、細胞「通過」から「寄生」への切換えをするか不明であった。我々は今年度の研究により、この過程で重要な機能を果たす分子を2つ同定した。
マラリア原虫ゲノムの中でPbs36,Pbs36Pと名付けられている分子の遺伝子のノックアウト原虫を作製してラットへの感染性を調べたところ、約1/3000に低下した。そこで培養肝細胞HepG2を用いて、肝細胞への「寄生」能を調べたところ、約1/20に低下していた。一方、細胞「通過」能を培養細胞HeLaやCos7およびHepG2を用いて調べたところ、宿主細胞にはなり得ないHeLaやCos7では、Pbs36P遺伝子ノックアウト原虫でも野生株と同等の細胞通過能を示すが、寄生する細胞であるHepG2では、細胞「通過」能は亢進していた。このことはPbs36が肝細胞を認識し、細胞「通過」から「寄生」への切換えに必要な分子であることを示している。Pbs36P遺伝子ノックアウト原虫はHepG2細胞を肝細胞であることが認識できなくて、細胞「通過」を繰り返し、細胞通過能が亢進した。また、in vivoで観察すると、Pbs36P遺伝子ノックアウト原虫は肝臓実質に達しているが寄生できていないことが分かった。Pbs36についてもほぼ同様の結果が得られている。
以上のことから、肝実質に達した原虫はPbs36PおよびPbs36によって肝細胞の特異リセプター分子を認識し、細胞「通過」から「寄生」への切換えをすることで、肝細胞への寄生を可能にしていることが明らかにされた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Two proteins with 6-cys motifs are required for malarial parasites to commit to infection of the hepatocyte.2006

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Ishino, Yasuo Chinzei, Masao Yuda
    • 雑誌名

      Mol.Microbiol. 58

      ページ: 1264-1275

  • [雑誌論文] A calcium-dependent protein kinase regulates PlasmodiumooKinete access to the midgut epithelial cell.2006

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Ishino, Yuki Orito, Yasuo Chinzei, Masao Yuda
    • 雑誌名

      Mol.Microbiol. 59

      ページ: 1175-1184

  • [雑誌論文] CelTOS, a novel malarial protein that mediates transmission to mosquito and vertebrate hosts.2006

    • 著者名/発表者名
      Tohru Kariu^*, Tomoko Ishino^*, Kazuhisa Yano, Yasuo Chinzei, Masao Yuda. (*:equally contributed)
    • 雑誌名

      Mol.Microbiol. 59

      ページ: 1369-1379

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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