• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

経口ワクチンによる粘膜免疫誘導可能なprime/boostワクチンの開発

研究課題

研究課題/領域番号 16017244
研究機関三重大学

研究代表者

保富 康宏  三重大学, 医学部, 助教授 (90281724)

キーワードHIV / HEV / VLP / 経口ワクチン / 粘膜ワクチン / 感染症 / パラインフルエンザ2型ウイルス
研究概要

粘膜での免疫反応の誘導は感染症の多くが呼吸器、消化器、生殖器等の粘膜を介して成立することからワクチン開発の目的とするには有効である。粘膜免疫は一箇所の粘膜で誘導された免疫反応が、連続していない粘膜を含むすべての粘膜で誘導される。このことから粘膜へワクチンを運ぶ有効な方法が必要となる。一方、近年DNAワクチンを初回に(prime)、その後遺伝子組込みウイルスをboostするprime/boostワクチンが効果的であることが示されている。本研究では粘膜免疫誘導可能なprime/boostワクチンの開発を試みた。DNAワクチンのprimeには経口感染を示すE型肝炎ウイルスHEVのウイルス用中空粒子(VLP)を用い、その内部にヒトエイズウイルス(HIV)envDNAワクチンを封入し経口的に投与することで行った。このDNAワクチン封入VLPの経口投与でHIVenv特異的免疫反応が全身的ならびに粘膜面に液性免疫および細胞性免疫が誘導された。boostにはヒトの呼吸器に感染を示し、病原性のないパラインフルエンザ2型ウイルス(PIV2)をベクターとして用いた。HIVenv、HIVgag組み込みPIV2を作成し,このPIV2をマウス呼吸器内に投与したところ呼吸器粘膜上皮にHIV抗原の発現が認められた。投与されたマウスには病理組織学的には異常がなく体重変化等も認められなかった。この呼吸器内投与マウスにおいてリンパ節細胞でHIV特異的ELISPOT assayを行ったところ、全身の粘膜面で特異反応が認められ、特異的IgAも呼吸器洗浄液のみならず糞便中でも認められた。これらのことからPIV2ベクターは粘膜免疫誘導ワクチンにおいて有効なベクターであり、prime/boostワクチンにおいて利用可能であると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] DNA vaccine-encapsulated virus-like particles derived from an orally transmissible virus stimulates mucosal and systemic immune responses by oral administration.2004

    • 著者名/発表者名
      Takamura, S., Niikura, M., Li, T.C., Takeda, N., Kusagawa, S., Takebe, Y., Miyamura, T., Yasutomi, Y.
    • 雑誌名

      Gene Ther. 11

      ページ: 628-635

  • [雑誌論文] ウイルス用中空粒子(VLP)を用いた経口ワクチン2004

    • 著者名/発表者名
      保富康宏
    • 雑誌名

      臨床とウイルス 32

      ページ: 362-371

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi