研究課題
ヒト・マラリア原虫(Plasmodium falciparum)の赤血球内寄生時における原虫外膜系の形成と血球膜への膜タンパク輸送機構を分子レベルで解明するためのプローブを作成した。すなわち、PfNSF-GFP融合タンパクのマラリア原虫用の発現プラスミドを構築した。これをマラリア原虫内で発現させた。その発現速度をGFP抗体を用いるイムノブロット法で追跡した。プラスミドを添加後2日目で発現が最大となった。現在、GFP蛍光を指標にして分泌とエンドソーム様オルガネラ、原形質膜への組み込み過程を可視化解析している。現在は発現量が少ないために再現性よく測定できていない。発現量をふやすためのプラスミドの構築を再度進めている。PfNSFタンパク質そのものの生化学的性質を解析するために昆虫細胞発現系を構築し、約80kDaの精製標品を得た。ATPase活性やcell free系での小胞輸送機能を解析しているが、活性は検出できていない。動物のNSFのATPase活性は酵素濃度とco-perativityが見られる。すなわち、一定量以上存在しないと活性が観察できない。同じ事がPfNSFにもあてはまると思われる。現在、発現量を増やす目的で、昆虫細胞での発現系を改良している。具体的には昆虫細胞株を変え、発現後の可溶化のための界面活性剤を工夫している。動物細胞のエキソエンドサイトーシスに関与するシンタキシン様用タンパクをコードするcDNAを得た。このタンパクの抗体を調製した。原虫における発現・局在を調べている。原虫の内膜系が強く染色されている。現在この部位の同定を急いでいる。
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