研究概要 |
1)ワクチン抗原(トキソプラズマ原虫SAG1)をコードする遺伝子をユビキチン遺伝子とフユージョンした遺伝子(pcDNAUB-SAG1)でMHC class I依存性の免疫を誘導した。 2)作製したワクチンベクターは様々な細胞株に遺伝子導入を行い発現の確認を行い、抗原蛋自のプロセッシング及び抗原提示機構を解析した。作製したワクチンベクターを細胞株に遺伝子導入を行い、プロテアソーム阻害剤であるMG-132,エポキソマイシン等を用い、抗原蛋白質のプロセッシングとプロテアソーム阻害剤の影響についてウエスタンブロッティング法により解析を行った。 3)マウスに対して、「フユージョンベクター」DNAワクチンを行った。ワクチンには生体への遺伝子導入効率に優れた遺伝子銃を用いた。ワクチン後、同蛋白に対する特異抗体価、リンパ球の抗原特異的増殖反応・サイトカイン産生及び細胞傷害活性について解析を行い、「フユージョンベクターによるDNAワクチン」の免疫誘導能並びにその特徴を明らかにした。 4)マウスに対して、遺伝子銃を用いて「フユージョンベクター」DNAワクチンを行った。抗原提示細胞としてマクロファージ由来PMJ2-PC細胞等へワクチンベクターの遺伝子導入を行い、ワクチン後マウス脾細胞と共培養し、サイトカイン産生及び細胞傷害活性について解析を行った。その際、プロテアソーム阻害剤であるMG-132,エポキソマイシン等を用いることで、抗原提示におけるユビキチン-プロテアソーム経路の重要性について詳細に確認した。 5)免疫プロテアソームのアクティベーターPA28及び免疫プロテアソームのメインコンポーネントであるLMP7のノックアウトマウスを用いて、ワクチンに対するユビキチンプロテアソーム経路の影響についてin vivoでの詳細な解析を行った。その結果、SAG1に対するCD8^+CTLの誘導には、PA28は関与してないが、LMP7が必須の関わりを持つことが明らかとなった。
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