研究概要 |
キメラ抗原cCD-MAPをマウスに免疫することにより、7つのモノクローナル抗体(CPMAb-I〜VII)を調製することができた。これらの抗体のうちCPMAb-Iおよび-IIは、同時に多くの実験室株由来のR5及びX4ウイルス(clade B)の感染を阻害できたが、臨床分離株由来のR5及びX4ウイルス(clade A, C, E)の感染を阻害できなかった。CPMAb-IIIおよび-VIは実験室由来のR5ウイルス(clade B)の感染を阻害するだけでなく、臨床分離株由来のいくつかのR5及びX4ウイルス(clade A, C, E)の感染も阻害できた。一方、CPMAb-IV,-Vおよび-VIIは、実験室株由来のR5及びX4ウイルス(clade B)の感染を阻害できなかったにもかかわらず、臨床分離株由来のR5及びX4ウイルス(clade A, C, E)の感染を効果的に阻害した。さらに、cCD-MAPをカニクイザルに免疫することにより得られた抗血清は、実験室由来のR5及びX4ウイルス(clade B)の感染を阻害するだけでなく、臨床分離株由来のR5及びX4ウイルス(clade A, C, E)の感染を阻害できた。したがって、cCD-MAPはマルチクレードのR5およびX4ウイルス感染を阻害できる抗原の新規候補になり得ると考えられる。 次に、本年度cDDR5-MAPをカニクイザルに免疫することによりnativeなCCR5を認識する抗血清が得られ、本抗血清は、JRFLおよびSHIVSF162P3の感染をで強く阻害した。 一方、cDDX4-MAPをカニクイザルに免疫することによりnativeなCXCR4を認識する抗血清が得られたが、本抗血清は、マルチクレードのX4ウイルス感染(clade A, B, C, E)をin vitroで強く阻害した。
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