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2005 年度 実績報告書

樹状細胞免疫で誘導されるCD4^+T細胞由来HIV感染防御因子の同定と作用機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 16017288
研究機関琉球大学

研究代表者

田中 勇悦  琉球大学, 医学部, 教授 (30163588)

キーワードHIV / AIDS / 樹上細胞 / hu-PBL-SCID / 感染防御
研究概要

正常ヒト末梢血単核細胞(PBMC)を移植したヒト/マウスキメラ動物であるhu-PBL-SCIDマウスにおいて、抗原感作したin vitro誘導自家樹状細胞を移植することにより、ヒト型の抗原特異的抗体およびT細胞免疫応答を誘導する実験系を樹立した。この系において、不活化HIV-1粒子を感作した樹状細胞で免疫したhu-PBL-SCIDマウスにはHIV-1に対する特異的免疫応答が誘導され、CCR5指向性HIV-1感染に抵抗性を示すことを証明した。本研究では、このHIV-1免疫hu-PBL-SCIDマウスに誘導される主なHIV-1感染防御エフェクター分子とその受容体の解析、および臨床応用への可能性について研究を進めることを目的とした。この生体防御応答で抗HIV-1エフェクターとして働くのはヒトのCD4+T細胞が産生する因子であった。既知のサイトカインに対する中和抗体で活性が阻害されないことから、本因子は新規の分子であり、蛋白分解酵素に感受性、易熱性(56℃30分)、さらにCon-Aカラムやヘパリンカラムを通過するので、ガラクトース等の糖鎖を持たず、βケモカインには属さない分子であると推定された。本因子をCD4因子とした。限外ろ過法でCD4因子の活性が10万ダルトン以上と推定された。さらにCD4因子を解析のためCD4+T細胞群からHTLV-1トランスフォーム細胞を樹立し、因子の大量調製に成功した。CD4因子が、単球で効率よく吸収され、活性化T細胞では吸収されなかったことより、因子の受容体は単球系の細胞に多く発現することが示唆された。CD4因子がin vitroのみならず動物個体においてもCCR5親和性HIV-1の感染を完全に阻止することから、CXCR4アンタゴニスト等との併用により、本因子はHIV-1感染予防あるいはAIDS治療に応用できるものと期待されるため、今後さらに研究を進めて行きたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Cross-linking cell surface chemokine receptors leads to isolation, activation and differentiation of monocytes into potent DC's.2006

    • 著者名/発表者名
      Nimura F., Zhang L., Okuma K, Tanaka R., Sunakawa H., Yamamoto N., Tanaka Y.
    • 雑誌名

      Exp.Biol.Med. (印刷中)

  • [雑誌論文] Identification of HIV-1 epitopes that induce the synthesis of a R5 HIV-1 suppressor factor by human CD4+T cells isolated from HIV-1 immunized hu-PBL SCID mice.2005

    • 著者名/発表者名
      Yoshida A., Kodama A., Tanaka R., Yamamoto N., Ansari A.A., Tanaka Y.
    • 雑誌名

      Clinical and Developmental Immunology 12・4

      ページ: 235-242

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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