• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

熱帯熱マラリア原虫の細胞内寄生成立における抗酸化酵素系の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16017318
研究機関国立国際医療センター(研究所)

研究代表者

河津 信一郎  国立国際医療センター(研究所), 適正技術開発・移転研究部・適正技術開発研究室, 室長 (60312295)

キーワード感染症 / マラリア / 酵素 / ストレス / 発現制御 / レドクス / 宿主寄生体相互関係
研究概要

マラリア原虫の細胞質には、1-Cys型と2-Cys型の2種類のPrxが局在し、1-Cys型が赤内期のトロホゾイトで特異的に発現するのに対し、2-Cys型は蚊体内での発育型を含めた全発育環を通じてほぼ構成的に発現する。これらPrxの発現は、それぞれの生理機能、原虫のヘム代謝に関連した機能および細胞内過酸化物の還元機能を良く反映し、mRNAとタンパクの発現プロファイルが完全に一致することから、遺伝子の転写段階で調節されていると考える。そこで、Prx遺伝子の転写調節領域を調べる目的でレポーターアッセイをおこなった。その結果、1-Cys型Prxと2-Cys型Prx遺伝子の5'には、ともに、レポーター遺伝子の転写を誘導するプロモーター活性が観察された。Deletion mutantsでのアッセイから、1-Cys型Prx遺伝子の5'にレポーター活性を亢進する領域を見出した。このことから、同遺伝子の転写は、5'に存在するcis-element(enhancer)によって正の調節を受けていることが示唆された。このenhancer領域は、リング期およびトロホゾイト/シゾント期の両発育期で認められ、その位置は異なっていた。この知見は、リング期でのenhancer活性が、クロマチン構造などepigeneticな機構によって更に高次の調節を受けて、本来の染色体上では抑制されている可能性を示唆している。一方、2-Cys型Prx遺伝子の5'についてもenhancer領域を見出した。この領域は、リング期およびトロホゾイト/シゾント期の両発育期で共通していた。この知見は、おそらく同遺伝子の転写が両発育型を通じて同一のcis-elementによって正の調節を受けていることを示唆するもので、赤血球内寄生期における2-Cys型Prxの構成的な発現をよく反映している。1-Cys型Prx遺伝子enhancer領域をプローブとしてゲルシフトアッセイをおこなったところ、原虫核抽出物中に同領域に特異的に結合する因子の存在を確認した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Expression of mRNAs and proteins for peroxiredoxins in Plasmodium falciparum erythrocytic stage.2005

    • 著者名/発表者名
      Yano, K. et al.
    • 雑誌名

      Parasitology International 54

      ページ: 35-41

  • [雑誌論文] Roles of 1-Cys peroxiredoxin in heam detoxification in the human malaria parasite Plasmodium falciparum.2005

    • 著者名/発表者名
      Kawazu, S. et al.
    • 雑誌名

      FEBS Journal 272

      ページ: 1784-1791

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi