研究課題/領域番号 |
16017319
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研究機関 | 国立国際医療センター(研究所) |
研究代表者 |
慶長 直人 国立国際医療センター研究所, 呼吸器疾患研究部, 部長 (80332386)
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研究分担者 |
中田 光 新潟大学, 医歯学総合病院・生命科学医療センター, 教授 (80207802)
土方 美奈子 国立国際医療センター研究所, 呼吸器疾患研究部, 室長 (90332387)
玉利 真由美 理化学研究所, 遺伝子多型研究センター・遺伝子多型機能相関研究チーム, 研究員 (00217184)
井上 義一 独立行政法人国立病院機構, 近畿中央胸部疾患センター, 部長 (90240895)
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キーワード | 非結核性抗酸菌症 / マイクロサテライトマーカー / 一塩基多型 / 自然免疫 / サイトカイン / 関連解析 / 感受性遺伝子 |
研究概要 |
多因子疾患の感受性遺伝子を同定する方法として、多型マーカーとの連鎖不平衡を利用し、大規模な領域を関連解析でスクリーニングする手法が広く検討されている。本研究では、多型性に富むマイクロサテライトをマーカーとして利用し、非結核性抗酸菌症と一義的に関連する一塩基多型(SNP)を同定することを目的としている。非定型抗酸菌症については、対象をM.aviumおよびM.intracellulare、すなわちMAC症に限定し、ATS1997基準に基づいて診断された症例(治療中、治療後を問わない)で、HIV症例、血液疾患症例(白血病、悪性リンパ腫など)、免疫抑制剤(ステロイドを含む)使用例は対象から除き、既存の肺病変の有無は問わない、説明と同意の可能な症例を対象とし、2年以上かけて、300例の血液試料を収集した。 疫学的背景を検討した後、遺伝背景について、候補遺伝子アプローチとゲノムワイドアプローチを展開している。これら候補遺伝子としては、結核症での関連が知られる自然免疫系の分子に分類されるNRAMP1の遺伝子多型のうちのふたつが、症例と対照で、対立遺伝子頻度が補正P値により有意差を認めた。また、ゲノムワイドアプローチについては、多施設共同研究により、非定型抗酸菌症に関する3次スクリーニングまで施行した。現在個別のタイピングによって、候補となるマイクロサテライトマーカーが関連解析上、真に有意であるかどうか、検討中である。この方法を用いて、非定型抗酸菌症の疾患感受性遺伝子が迅速に同定できるものと期待される。
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