研究課題
本研究は、国文学研究資料館が所蔵する渋沢敬三による「日本実業史博物館」構想のもとに収集された産業経済資料約25,000点以上にのぼるコレクションについて、この特定領域研究が目指すグローバルな研究ネットワーク構築の実現に向け、日本関係標本の内外コレクションの調査研究に寄与するデータベース構築を実現し、積極的に研究の発展に貢献する。1.コレクションの形成に関する資料データは、これまでに博物館構想時の記録類すべてのリストを作成し、それら資料の画像化を実施した。今年度、構想過程の記録類の翻刻、テキスト化を進め、CD-ROM版を作成した。さらに、渋沢史料館所蔵の目録類、(財団)竜門社関係資料、国立民族学博物館関連史料について調査を実施した。アーカイブズ学的手法による史料検討により、形成期の実態を解明し、研究報告を行った。2.コレクションの構造(内容)に関する研究とデータベース化に関する研究は、これまでに構築したコレクションの一部((1)絵画)、(2)広告(3)写真(4)番付(5)地図(6)古紙幣(7)竹森文庫(8)文書・書籍(9)産業経済器物史料のすべての簡易データベースを個別に構築した。最終年度にデータ統合を実現する。3.全資料の段階的保存管理に関する研究として、全資料の概要的状態調査に基づく保存管理システムにもとづいて、簡易的保存措置を実施した。4.研究会の開催と研究成果報告書の編集をおこなった。今年度の成果発表として2回の研究会を開催し、さまざまな分野の研究者との研究交流を深めた。この蓄積されたコレクション情報をわかりやすく社会に伝達するため、研究成果を公開するための報告書の編集準備を開始した。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (1件)
国文学研究資料館研究紀要 アーカイブズ研究編 第1号
ページ: 63-94