研究課題/領域番号 |
16019101
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研究機関 | 大谷女子大学 |
研究代表者 |
広岡 公夫 大谷女子大学, 文学部, 教授 (30029467)
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研究分担者 |
吉原 新 富山大学, 理学部, 助手 (50361944)
中島 正志 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (70093440)
鳥居 雅之 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (60108983)
中村 浩道 (中村 浩) 大谷女子大学, 文学部, 教授 (10121873)
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キーワード | 考古地磁気 / 地磁気永年変化 / 地球磁場の地域差 / 偏角・伏角 / 中世古窯 / 地球磁場の時空分布 |
研究概要 |
16世紀後半から地磁気の継続的観測が始まり、地磁気に永年変化が存在することが明らかになった。大航海時代が始まり、船に羅針盤が備えられるようになって、磁針のふれを補正するために世界の海で偏角観測がなされた。日本近海でも17世紀初頭以来いくつかの観測結果が残されている。それらの観測値を解析することによって、日本列島およびその周辺海域の17世紀中頃の地磁気偏角分布の概容が明らかになった(広岡、2004)。当時は偏角の地域差に東西で大きな勾配があった。この状況は17・18世紀の日本の考古地磁気研究の結果にも現れている。すなわち、西日本の古伊万里や萩焼古窯の考古地磁気データと日本中央部の古九谷や美濃古窯のデータとの間に5°以上の差異が指摘されており、上記の解析結果と非常に調和的である。 本年度は、日本の中世の考古地磁気データは17・18世紀のみに、しかも九州北部と本州にしか無いため、既存の考古地磁気データの集積を行うとともに、10世紀まで遡る中世のデータを得るべく、また、日本列島およびその周辺地域さらに東南アジアまで範囲を広げ、考古地磁気試料の採集を行った。南西諸島の喜界島の10〜11世紀の焼土坑を有する半田B遺跡とカンボジア・シエムリアップ郊外の10〜13世紀のソ・サイ遺跡の古窯の考古地磁気サンプリングを行い、中世東アジア地域の地球磁場分布を解明する基礎データの収集に集中した。本州では、愛知県大府市所在の中世山茶碗古窯・瀬戸B古窯跡群の1〜4号窯のサンプリングを行った。現在これらの採集試料の考古地磁気測定を鋭意行っており、測定結果が待たれるところである。
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