研究課題/領域番号 |
16019202
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
村岡 倫 龍谷大学, 文学部, 助教授 (30288633)
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研究分担者 |
徐 光輝 龍谷大学, 国際文化学部, 助教授 (70278498)
松田 孝一 大阪国際大学, 経営情報学部, 教授 (70142304)
松川 節 大谷大学, 文学部, 助教授 (60321064)
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キーワード | モンゴル帝国 / ゴビアルタイ / シャルガ / チンカイ屯田 / チンカイ城 / 錦窯 / クビライ |
研究概要 |
中世北東アジア考古遺蹟のデータベース作成に当たって、最も課題となるのは、これまでモンゴル高原で発見されたモンゴル帝国時代の遺蹟のほとんどが、高原中央部から東部地域のもので、西部では全く発見されていないということであった。そのような状況の中で、かつて、我々は、独自にモンゴル西部に赴いて調査を行ない、ゴビアルタイ県シャルガ郡でモンゴル帝国時代の軍事拠点チンカイ屯田の遺蹟を発見した。しかし、その後は再調査する機会を得られなかった。そこで、16年度の最大の目標は、チンカイ屯田の遺蹟の再調査ということに置いた。16年の8月から9月にかけて、モンゴル国国立歴史民族博物館館長のオチル氏の協力を得て現地調査を行ない、その結果、チンカイ城(称海城)と思われる土城、多くの土器片や磁器片(特に13世紀初頭のものと思われる金代鈞窯の磁器の発見は重要)を発見した。また、新たに文献と現地の状況が一致する点も確認され、シャルガ郡内のこの遺蹟がチンカイ屯田であることを改めて確信した。従来手薄であったモンゴル西部の遺蹟情報が得られたことによって、中央部・東部との比較も可能となり、今後作成するデータベースのさらなる充実化をはかることができる。 我々の16年度の成果については、同じ特定領域の「北東アジア中世遺跡の考古学的研究」班(代表:札幌学院大学・臼杵勲)の『平成15・16年度研究成果報告書』に、村岡が調査報告を載せ、松田が、文献資料精査の成果として、「クビライ政権時代のチンカイ地区(箚記) チンカイ・バルガスン(称海城)屯田年表」を掲載している。本年度には我々独自の研究成果報告書も刊行し、16年度のさらに詳しい調査内容を公開する予定である。また、徐を通して、徐とは古くから研究協力が構築されている藩陽東亜研究中心から『中国考古集成 東北巻』(全20冊)を購入した。これは、当該地区の考古情報を得るのに重要な書であり、今後も我々の研究に益するところは大きい。
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