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2004 年度 実績報告書

B型肝炎ウイルスX蛋白と相互作用する宿主分子の同定と肝発癌の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 16021211
研究機関東京大学

研究代表者

金井 文彦  東京大学, 医学部附属病院, 特任講師(病院) (70334399)

研究分担者 加藤 直也  東京大学, 医学部附属病院, 助手 (90313220)
キーワードB型肝炎ウイルス / 肝細胞癌 / 肝発癌 / X蛋白 / 質量分析 / AP-1 / Jab1
研究概要

B型肝炎ウイルス(HBV)は、永い年月をかけて肝臓をむしばみ、慢性肝炎から肝硬変、ひいては肝細胞癌、肝不全をひきおこす。本邦においてHBV新規感染は減少しているものの、今なお肝硬変やHCCの20%に関与している。HBVによる肝発癌はC型肝炎によるものに比べ若年発症であり、またウイルスゲノムが宿主ゲノムに組み込まれることからoncogenicウイルスと考えられている。今までの報告からHBVのX蛋白が発癌に関与していると考えられている。HBx遺伝子産物と結合する宿主内蛋白をHBV遺伝子型別に同定し機能解析を行うことで、HBVによる肝発癌の分子機構を明らかにすることを目的として研究を行なった。Myc tagとFlag tagの配列間にTEVプロテアーゼの切断配列をもつdual tag発現プラスミドにB型肝炎ウイルスの遺伝子産物であるHBxのcDNAをクローニングした。このプラスミドを哺乳類細胞に導入し、Myc・Flagの2つのタグにより肝炎ウイルス蛋白複合体を高純度に精製し、その複合体を形成する蛋白を溶出後、SDS-PAGEにて展開し銀染色を施行。肝炎ウイルスに特異的に結合するバンドをゲルから切り出し、プロテアーゼ消化後質量分析計により蛋白質の同定を行った。本実験でHBxと結合する宿主分子の複合体コンポーネントのひとつとしてJab1(Jun activation domain-binding protein 1)を同定した。この蛋白はHBxと直接結合し、HBxのアミノ酸30-125の領域に結合することが明らかとなった。またこの両者は細胞質に共局在し、HeLa細胞に共発現させることでHBxにより誘導されるAP-1の活性化が増強された。一方、Jab1と結合できない変異体HBx(60-154)ではその働きが無く、両者の結合がAP-1活性化に重要であることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Interaction of hepatitis B virus X protein (HBx) with heat shock protein 60 enhances HBx-mediated apoptosis.2004

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Y, Kanai F, et al.
    • 雑誌名

      Biochem.Biophys.Res.Commun. 318

      ページ: 461-469

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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