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2004 年度 実績報告書

がん抑制遺伝子TSCとGTP結合蛋白Rhebの制御をうけるmTORシグナルの研究

研究課題

研究課題/領域番号 16021234
研究機関神戸大学

研究代表者

米澤 一仁  神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (70283900)

研究分担者 吉野 健一  神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助手 (90280792)
徳永 千春  神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助手 (70335462)
キーワード抗がん剤 / Rapamycin / mTOR / 細胞環境 / p70 S6 kinase / raptor / TSC / Rheb
研究概要

ラパマイシンは抗がん剤としての臨床応用が行われている有機化合物である。このラパマイシンの細胞内標的蛋白質は、mTORキナーゼと呼ばれる分子量29万の巨大なSer/Thr蛋白質リン酸化酵素である。mTORキナーゼは、細胞環境中のアミノ酸の濃度バランスを感知するアミノ酸センサーとして機能し、mTOR結合蛋白質raptorを介して、翻訳開始に関わる分子群を制御することにより蛋白質合成を調節している。ヒト遺伝性疾患である結節性硬化症の原因遺伝子TSC1・TSC2複合体がsmall GTP結合蛋白質Rhebを介して、mTORのシグナル伝達系を抑制している。しかしながら、TSC・RhebがmTORシグナル伝達系を抑制する分子基盤は未だ知られていない。本研究では、これらの分子基盤の解明を目指し、プロテオミクス的手法によりmTOR/TSC/Rheb関連蛋白質に結合する分子の候補を探索した。その結果、複数の分子が同定されている。興味深いことに、候補分子の1つは、PKB/Aktのリン酸化モチーフを持ち、アミノ酸依存性にこのモチーフ上のリン酸化が変動することが確認された。この分子の同定は、mTORシグナル系の新たな発見につながる可能性を秘めている。この分子以外の候補分子についても精力的に研究を推進しており、本研究の進展が、抗がん剤であるラパマイシンの作用機序の解明につながるものと期待される。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2005 2004 その他

すべて 雑誌論文 (10件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Dissociation of raptor from mTOR is a mechanism of rapamycin-induced of inhibition of mTOR function.2004

    • 著者名/発表者名
      Oshiro, N.
    • 雑誌名

      Genes Cells 9・4

      ページ: 359-366

  • [雑誌論文] mTOR is essential for growth and proliferation in early mouse embryos and embryonic stem cells.2004

    • 著者名/発表者名
      Murakami, M.
    • 雑誌名

      Mol.Cell Biol. 24・15

      ページ: 6710-6718

  • [雑誌論文] Brain-derived neurotrophic factor induces mammalian target of rapamycin-dependent local activation of translation machinery and protein synthesis in neuronal dendrites.2004

    • 著者名/発表者名
      Takei, N.
    • 雑誌名

      J.Neurosci. 24・44

      ページ: 9760-9769

  • [雑誌論文] mTOR signaling Pathway.2004

    • 著者名/発表者名
      Yonezawa, K.
    • 雑誌名

      Hepatol.Res. 30S

      ページ: S9-S13

  • [雑誌論文] 細胞環境中のアミノ酸バランスを感知するmTORシグナル伝達機構2004

    • 著者名/発表者名
      中嶋 昭雄
    • 雑誌名

      BIO Clinica 19・4

      ページ: 18-22

  • [雑誌論文] 質量分析法と配列データベースを利用するタンパク質同定法2004

    • 著者名/発表者名
      吉野 健一
    • 雑誌名

      J.Mass Spectrom.Soc.Jpn. 52・3

      ページ: 106-129

  • [雑誌論文] mTOR(mammalian Target of Rapamycin).2004

    • 著者名/発表者名
      米澤 一仁
    • 雑誌名

      生体の科学 55・5

      ページ: 382-383

  • [雑誌論文] 肝臓病の最近の話題「mTOR」について2004

    • 著者名/発表者名
      米澤 一仁
    • 雑誌名

      Liv日常診療に診る肝臓病治療 6

      ページ: 11

  • [雑誌論文] Molecular identification and characterization of Xenopus egg uroplakin III, an egg raft-associated transmembrane protein that is tyrosine-phosphorylated upon fertilization.

    • 著者名/発表者名
      Sakakibara, K.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. (未定)(in press)

  • [雑誌論文] Rheb binds and regulates the mTOR kinase.

    • 著者名/発表者名
      Long, X.
    • 雑誌名

      Curr.Biol. (未定)(in press)

  • [図書] NASH and Nutritional Therapy2005

    • 著者名/発表者名
      Yonezawa, K.
    • 総ページ数
      117
    • 出版者
      Springer-Verlag
  • [図書] TOR : Target of Rapamycin (Curr.Top.Microbiol.Immunol.)2004

    • 著者名/発表者名
      Yonezawa, K.
    • 総ページ数
      366
    • 出版者
      Springer-Verlag

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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