研究課題/領域番号 |
16022209
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
幡野 雅彦 千葉大学, バイオメデイカル研究センター, 助教授 (20208523)
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研究分担者 |
藤村 理紗 千葉大学, バイオメデイカル研究センター, 助手 (30376363)
徳久 剛史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20134364)
有馬 雅史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (00202763)
坂本 明美 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (90359597)
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キーワード | Nd-1 / β-catenin / トランスジェニックマウス / 発癌 / Kelch |
研究概要 |
Nd1はkelchファミリーに属する蛋白でありBTB/POZ domainと6つのkelch motifをもつLong form (Nd1-L)と、kelch motifを欠くshort form (Nd1-S)が存在する。Nd1-Lはほぼ全組織で発現を認め、BTB/POZ domainを介して相互に結合し、kelch motifを介してactinと直接会合する。さらに、Nd1-Lを強発現したトランスフェクタントはアクチンの脱重合作用を持つcytocchalasinDのアポトーシス誘導作用に対して抵抗性をもつこと、サイトキネーシスの阻害による細胞増殖の遅延と形態の変化をきたすことなどを明らかにしてきた。今年度はNd1-Lが抗癌剤doxorubicinの心毒性を保護するのに重要な役割をすること、またNd1-Sは核内に局在して細胞周期制御にかかわっていることを明らかにした。 さらに生体内でのNd1-Lの機能を調べるためにアクチンプロモーターを用いて全身にNd1-Lを強発現させたトランスジェニック(Tg)マウスを作製したところ、生後一年以上経過すると主に腹腔内リンパ節、肝臓、腎臓に様々な腫瘍が高率に発生した。そこで、Nd1-Lの過剰発現による細胞がん化の機序を明らかにする目的で、Nd1-Lを強発現したトランスフェクタントにおけるactin cytoskeleton関連タンパクの動態を調べた。その結果、Nd1を過剰発現した細胞株(NIH3T3,MDCK)では免疫染色法で核内にβ-cateninが移行している細胞が多く認められ、ウエスタンブロット法においても核内でのβ-cateninの量が増加していた。また免疫沈降法でNd1-Lはkelch motifを介してβ-cateninと会合す事を見いだした。現在、Nd1-LトランスフェクタントやTgマウス由来の腫瘍細胞におけるβ-cateninおよびその周辺のシグナル系について解析をすすめている。
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