TNFα刺激依存性に誘導される活性酸素(ROS)に対するNF-κBによる抑制のメカニズムを検討したところ、c-FLIPを過剰に発現させることによりROS蓄積が抑制されること、およびNF-κB欠損細胞でのみc-FLIPがTNFα刺激後、早期にカスパーゼ非依存性に分解されることが明らかとなった。また、マイクロアレイ解析を行った結果、複数の抗酸化遺伝子がTNFα刺激に伴い、NF-κB依存性に発現が誘導されることが明らかとなった。以上を総合するとNF-κBの新たな機能としてTNFα刺激依存性に誘導されるc-FLIPの分解の抑制と抗酸化遺伝子の発現上昇を介して、ROS産生を抑制していることが明らかとなった。 染色体転座の認められる急性巨核芽球性白血病で生じるOTT-BSAC(MALあるいはMKL1)融合遺伝子の機能解析を行った結果、血小板の成熟に伴い発現するglycoprotein VIのプロモーターをOTT-BSACはBSACに比較し、強力に活性化することが明らかとなった。このプロモーター領域には、BSACファミリーが活性化することの知られているCArG box配列が存在しないことより、プロモーター領域の種々の欠失変異体を作製し検討した結果、二つの領域がその活性化に必要であることが明らかとなった。現在そのエレメントおよび結合する転写因子について解析中である。BSACノックアウトマウスを作製したが、胎生3.5日で既に致死であることが明らかとなった。
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