研究概要 |
Adjuvant抗がん免疫機構を解明して、抗がん免疫の一般則を提示することを目的とし、Toll-like receptors(TLR)2/TLR4、TLR3依存性の樹状細胞活性化adjuvant, BCG-CWS, poly I:Cの機能同定を行った。結果を要約する。1.BCG-CWSによるTLR2/TLR4活性化はCTL(細胞傷害性Tリンパ球)を強く誘導する。2.PolyI:CによるTLR3活性化はNK誘導性の樹状細胞(DC)を成立させる。以上からadjuvantがDCの機能を規定する要因であると云える。メカニズムの研究では3.抗原提示樹状細胞はTLR1,2,3,4,5,6,8を発現する(抗体による発現確認)、4.ヒトのTLRが樹状細胞をCTL指向型に変えるにはMyD88 adapter依存性のシグナルが必須である。5.ヒトのTLRが樹状細胞をNK指向型にするにはTICAM-1(TRIF)adapter経路の活性化とそれに続くtype I interferon(IFN)の誘起が必須である。6.TLR刺激によってヒト樹状細胞に誘導される遺伝子群はCTL潜性型、NK活性型で異なったprofilingを取り、それぞれ特有の誘導遺伝子を含む。7.これらの網羅的同定と機能解析からがんの予後診断、免疫療法の適用診断、樹状細胞療法を含めた抗がん免疫療法確立への貢献が期待できる。
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