研究概要 |
本研究の目的は、国際研究としてT/NK細胞リンパ腫1,000例以上の臨床病理学的、免疫学的情報を網羅し、バイオインフォマテクスを用いたcase clustering解析を通じで普遍的な分類を画定することにある。解析に際しては、T細胞functional subsetsの概念を取り入れ、リンパ腫分類の新たなパラダイムの提案を目指す。当初、研究協力巻としで日・韓・独の病理学者の参加を以って開始した。本研究の過程で、新たなT/NK細胞リンパ腫新分類が必要との広汎な共通認識を得るに至り、平行してより発展的な国際共同研究体制が構築されることとなった。具体的には、平成16年度中にアジア、欧州および北米に各地域センターが設置された。地域毎に各500症例、総計1,500例のT/NK細胞腫瘍を対象としで病理学的および免疫組織学的性状の評価、さらに予後を含む臨床データを集積し、解析中である。地域センターは名古屋(愛知県がんセンター、アジア地域)、WurzburgおよびLeeds (Wurzburg大学およびLeeds大学、欧州地域)、Omaha (Nebraska大学、北米地域)である。『アジア地域センタ』としてBangkok(タイ)、Hong Kong(中国)、Seoul(韓国)、および福岡、岡山、名古屋、東京(日本)からの500例については既に臨床病理学的情報(予後、冶療反応性、国際予後指標international prognostic indexesなどを含む)と病理検体の収集を完了すると共に、まずTIA1やgranzyme Bに代表される細胞傷害性分子の発現の有無、さらにEpstein-Barr virusの関与の有無など12種類の関連マーカーを検討した。また、関連して相互の診断の検証のために、アジア地域の症例の病理中央診断reviewのための会合が、平成17年1月に名古屋でも弓たれた。
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