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2004 年度 実績報告書

クロモキネシンKIDのM期キナーゼ群による制御機構とM期における新規機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16026208
研究機関東京大学

研究代表者

大杉 美穂  東京大学, 医科学研究所, 助手 (00332586)

キーワード細胞生物学 / 分裂期 / リン酸化 / キネシン様モーター分子 / 染色体分配
研究概要

クロモキネシンKidはM期(分裂期)染色体を紡錘体微小管に沿って運搬し、中期板へ整列させる働きを担うモータータンパク質である。本研究は、Kidの発現を欠失した哺乳類細胞を用い、Kidの分裂期における新規機能を明らかにするとともに、Kidが複数のM期キナーゼによりリン酸化される点に着目し、複数の機能がどのように制御されM期進行が行われているのかを明らかにすることを目的としている。我々はこれまでにRNAiを用いた発現抑制実験の結果から、Kidが紡錘体形成や分裂後期の染色体分配にも寄与していることを示唆する結果を得ていたが、本年度はより詳細な解析を行うことにより以下のことを明らかにした。
1-1.Kidの発現を抑制したHeLa細胞は、分裂中期の紡錘体長(紡錘体極間の長さ)がコントロール細胞の約8割しかなく、紡錘体微小管が不安定化されていた。1-2.様々なKid変異体及び、Kid部分断片を用いた表現型回復実験の結果、紡錘体長短縮の表現型回復にはKidの染色体結合能及び、モーターとしての運動能は必要なかった。1-3.紡錘体長短縮表現型の回復能はKidが持つ微小管束化能と相関しており、更にKidのcoiled-coil領域が必須であった。これらの結果から、Kidは分裂中期までの時期において染色体整列とは独立の働きとして紡錘体微小管を安定化させ、正常な紡錘体長を保つ役割を担っていることを明らかにした。
更に、2-1.蛍光免疫染色及び免疫電顕観察を行い、分裂後期のKidは隣り合う染色体同士の間隙に存在するという特徴的な局在を示すことを明らかにした。2-2.Kid発現抑制HeLa細胞では分裂後期の染色体のまとまりが悪く、娘細胞核形態異常を紺頻度に生じた。これらの結果から、Kidの分裂後期における役割として、分配中の染色体同士をつなぎ止める働き担っていることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Human Bub1 Defines the Persistent Cohesion Site along the Mitotic Chromosome by Affecting Shugoshin Localization2005

    • 著者名/発表者名
      Tomoya S.Kitajima
    • 雑誌名

      Current Biology 15

      ページ: 353-359

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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