研究課題
カスパーゼは細胞死に必要なプロテアーゼであり、細胞死刺激により活性化され、様々な基質を切断することにより細胞死を実行する。細胞死実行のために特化されたと考えられるカスパーゼは、線虫ではCED-3ただ一種類が機能的に関与しているが、ショウジョウバエでは7種類、哺乳類に至っては14種類とそのファミリーが拡大している。それに伴い基質特異性も多様化し、数多くのカスパーゼ基質がこれまでに同定されている。ショウジョウバエ末梢神経系の感覚器は、1個の神経系前駆細胞(SOP)が2回分裂し、1本の剛毛とそれ`こ接続する神経組織を形成する。ところが、ショウジョウバエカスパーゼ活性化因子Dapaf-1突然変異ショウジョウバエでは、その剛毛(macrochaete)の増加が観察された。さちに興味深いことに、この現象は細胞死の阻害による細胞数の増加に依存しないことが明らかとなり、カスパーゼが細胞運命の決定に積極的に関与していることが示唆された。さらに、カスパーゼの阻害による剛毛の増加表現型を亢進または抑圧する因子の遺伝学的スクリーニングを行った結果、新規カスパーゼ基質となるキナーゼを同定した。この新規カスパーゼ基質は切断されることにより活性化し、SOPの形成を負に制御することが明らかとなった。
すべて 2004
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