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2005 年度 実績報告書

細胞増殖抑制因子Tobの増殖・分化における役割とその発現制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16026211
研究機関東京大学

研究代表者

鈴木 亨  東京大学, 医科学研究所, 助手 (50334280)

キーワードTob / DNA損傷応答 / 遺伝子発現誘導 / 間葉系細胞分化
研究概要

増殖抑制因子Tobは細胞が静止期を維持することに関与する分子であり、また遺伝子欠損個体の解析から癌抑制遺伝子の候補であることを示す結果を得てきた。本研究においては、Tobの役割を主にtob遺伝子自身の発現調節という観点から解析を進めている。
まず、マウスにおけるtob遺伝子の5'上流領域をゲノムライブラリーのスクリーニング、及びPCR法によってクローニングした。その領域の塩基配列情報をもとに、既存のデータベースを利用して、各領域に結合する転写因子の候補の検索、マッピングを行った。既に脂肪細胞の分化に伴ってtobの発現が上昇することを見い出していたが、脂肪細胞の分化に強く関与するc/EBPalphaの認識配列がtob遺伝子の5'上流領域に存在することが分かったので、実際にレポーター遺伝子をクローニングしたプロモーター領域の3'側に組み込んだベクターを構築して、レポーターアッセイを行った。その結果、c/EBPalphaはレポーター遺伝子の発現を活性化できることがわかった。また、c/EBPalphaを細胞に強制発現することで実際にtobが上昇することも確認した。その一方で、細胞に紫外線照射をしたときにもTobの発現が上昇することを見い出した。tob遺伝子の発現を抑制すると、紫外線照射に強い感受性を示したことから、TobはDNA損傷時のアポトーシスに抑制的な効果をもっており、その発現上昇は細胞死から保護し、修復機構を働かせるためのものと推測された。実際に細胞がアポトーシスを起こすときにはTobタンパク質の分解が誘導されることもわかり、Tobの細胞内での発現量の制御が細胞死と生存の選択に大きく関与していることが新たに示された。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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