研究課題
生体内で生きたまま分子の機能を解析するための強力な手段として蛍光蛋白質を用いたFRET(蛍光共鳴エネルギー移動)を利用する方法が注目されている。FRETを利用することで優れた時間・空間的分解能により目的分子の動態を解析することが出来る。我々はFRETのドナーにECFPを、アクセプターにVenusを用い、両蛍光たんぱく質にカスパーゼ切断至適配列DEVDを挿入した新規カスパーゼ3 indicator「SCAT3」を開発し、このペアを採用することで、初めて生きた細胞内で安定的にカスパーゼ活性化の解析を可能にした。さらにUAS-Gal4システムにてSCAT3を発現するトランスジェニックショウジョウバエを作製した。ショウジョウバエの発生は、胚期から幼虫に至るまで約20時間を要するが、これまでこうした長時間を、しかも生体においてFRET Imagingを試みた例は殆ど報告されていない。胚は厚みがあるため、共焦点レーザー顕微鏡による解析が欠かせないが、問題は長時間のイメージングに胚が耐えられるかにある。実際、一般に用いられているガルバノミラーを用いたシングルポイントスキャン型共焦点顕微鏡では、特に高N.A.のレンズを用いた際にはわずか数時間イメージングのみでindicatorは激しく退色する。我々はスピニングデイスクを用いたマルチポイントスキャン型を採用することにより、24時間以上生体内においてbleachingすることなく蛍光イメージングを行うシステムを構築した。さらに我々は以上のシステムと以下に示すSCAT3.1を発現した胚を用いて、生きた生体においてカスパーゼ活性化のリアルタイムイメージングを行っている。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (6件)
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