研究課題
カタユウレイボヤのHox遺伝子のクラスター構造に関する研究:カタユウレイボヤのHox遺伝子のクラスター構造については、これまでゲノム解析(Dehal et al., 2002)でも明らかにできず、また、メンバー遺伝子の発現についても、ごく限られたデータしかなかった。そこで、Two color FISH、および受精卵から幼若個体まで、12の発生ステージについてWISHを行ない、Hox遺伝子のクラスター構造、およびメンバー遺伝子の発現との相関(コリニアリティ)を検討した。その結果、9つのメンバー遺伝子は2つの染色体に分かれて存在すること、染色体上の並び方には異常があること、にもかかわらず幼生の神経管と幼若個体の消化管において、メンバー遺伝子のいくつかが前後軸に沿って少しずつずれた発現を示すことが分かった。Hox遺伝子クラスターとコリニアリティは崩壊しつつあると結論した。マボヤのOtx遺伝子の転写調節機構の解析:系統的に遠いマボヤ(Hr)とカタユウレイボヤ(Ci)との間で、Otx遺伝子の転写調節機構の保存性について検討した。Ci-Otxの上流3.5kbを含むレポーターコンストラクトをマボヤ胚に導入すると、このコンストラクトはHrの発現パターンをほぼ再現する。2つのホヤで、Otx遺伝子の転写調節領域を同定すると、それぞれ細胞系列特異的な転写調節モジュールがあることが分かった。それらの塩基配列には、類似性は認められないが、細胞系列に特異的にLhx、Fox、T-box等の転写因子結合部位(TF-BS)が共通して見出された。Hrのモジュールについて、それらのTF-BSに突然変異を導入すると、転写を引き起こす活性が失われ、また、カタユウレイボヤ胚でも、マボヤでの結果がほぼ再現されたことから、少数のTF-BSが保存されていることが、発現パターン保存の基盤であることが示された。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (5件)
Proceedings of National Academy of Sciences, USA 102
ページ: 679-683
Mechanisms of Development 126
ページ: 463-474
Development, Genes and Evolution 214
ページ: 460-465
Gene 332
ページ: 61-69
Proceedings of National Academy of Sciences, USA 101
ページ: 15118-15123