研究課題
1.ヒドラペプチド・EST両プロジェクトを利用して更に多くの神経ペプチド遺伝子を同定し、発現パターン解析を行う。ヒドラESTデータベースからC-末端がアミド化したペプチドを検索するアルゴリズムを作成し、これまでに知られていないペプチド遺伝子を同定した。この遺伝子は2種のRFamideペプチドをコードすると考えられ、ヒドラほぼ全身に散在する一部神経集団で発現する。これまでに同定された4種のRFamide遺伝子とはコードするペプチドレパートリーが異なり、むしろNeuropeptideY (NPY)に類似したところが認められた。2.コンパートメントの神経細胞の分化様式、前年度までBrdUとISH法を組み合わせたダブル染色でHym-176ペプチド発現神経をもつ足柄下半部コンパートメントの生成機構を解析し、コンパートメント内の神経はすべて新規分化で説明できることを示した。しかし、今年度、Hym-176及びその同族体遺伝子の発現をダブルISH法を用いて解析したところ、Hym-176+コンパートメントは更に2つの領域に分断され,上半部の神経はHym-176とHmp_15428両遺伝子を発現するが、下半部はHym-176のみ発現していた。この結果は上半部のHym-176+/Hmp_15428+神経が下半部に移行するときHmp_15428の発現を失うことを意味する。即ち、下半部のコンパートメントは発現形質の転換で生じることになり、新たな神経分化で生じた上半部のコンパートメントとは生成機構が異なることが分かった。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (2件)
Mechanisms of Development 122
ページ: 109-122
Development 132
ページ: 2225-2234