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2004 年度 実績報告書

脊椎動物の眼の初期発生機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16027257
研究機関(財)大阪バイオサイエンス研究所

研究代表者

古川 貴久  (財)大阪バイオサイエンス研究所, 発生生物学部門, 研究部長 (50260609)

キーワードrax / HMGB3 / retina / proliferation / c-myc / Xenopus / Optx2
研究概要

申請者らは、眼発生の分子機構の解明を目的として、眼発生における最上流で機能する分子の1つであるraxにより誘導される因子を、マクロアレイを用いて単離、ならびに機能解析することを試みた。その結果、High mobility group B3(HMGB3)をコードする遺伝子を単離し、アフリカツメガエルの初期胚を用いて機能解析を行った。
HMGB3は、ステージ25では眼、前脳、中脳、後脳にまたがる神経管に発現し,ステージ40においては網膜の中で、増殖中の細胞の存在する部位であるciliary marginal zoneに発現が強く認められた。また、HMGB3遺伝子の第一イントロン中に潜在的なraxの結合配列を見い出し、この配列がraxに応答することを確認した。さらに、大量発現実験により、HMGB3の眼発生における機能の解析を試みた。その結果、眼の直径と脳が大きくなることが認められた。細胞増殖に与える影響について検討すると、大量発現により、眼と脳において、増殖中の前駆細胞の数の上昇が認められた。機能欠損実験を行うと、眼と脳が非常に小さくなった。さらに、HMGB3がc-mycの発現を上昇させること、機能欠損において、胚におけるc-mycの発現が減弱することを見い出した。最近、転写因子Optx2が眼の前駆細胞の増殖に関わることが報告された。そこで我々は、HMGB3、raxとOptx2の発現における上下関係に注目した。その結果、Optx2の発現にはraxが必要であること、Optx2とHMGB3は、互いには発現に影響を与えないことが明らかとなった。本研究は、raxがHMGB3とOptx2を独立に調節することを見い出し、眼の前駆細胞の増殖に関与する分子群が形成するネットワークの一端を明らかにした。今後、HMGB3の眼、脳発生における機能の解析をさらに進める予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Synaptogenesis and outer segment formation are perturbed in the neural retina of Crx mutant mice2005

    • 著者名/発表者名
      E.M.Morrow, T.Furukawa, E.Raviola, C.L.Cepko
    • 雑誌名

      BMC Neurosci. 6・1

      ページ: 5

  • [雑誌論文] Micro Serial Analysis of Gene Expression in Normal Human Choroid and Retinal Pigment Epithelial Transcriptomes2005

    • 著者名/発表者名
      M.Kobashi-Hashida, N.Ohguro, M.Tsujikawa, T.Furukawa, A.Furukawa, N.Hashida, K.Tsujikawa, K.Nakai, Y.Tano
    • 雑誌名

      Jpn J Ophthalmol. 49

      ページ: 15-22

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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