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2004 年度 実績報告書

高放射線環境下での素粒子実験用電子回路の安定動作技術の確立

研究課題

研究課題/領域番号 16028101
研究機関東京都立大学

研究代表者

福永 力  東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (00189961)

研究分担者 佐々木 修  高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (30178636)
キーワードエレクトロニクス / 放射線被爆 / 耐放射線 / ガンマ線吸収線量 / シングルイベントアップセット
研究概要

当研究は2年計画で進行中である。平成16年度はその1年目である。この1年は具体的にはスイスジュネーブで計画中の実験「ATLAS」の測定器制御読み出しに利用されるエレクトロニクスについてその前年までの放射線照射実験でのデータの解析と今後の実験計画準備を中心に研究を進めた。ATLASは14TeVという高いエネルギーの陽子・陽子衝突実験であるので測定器際にあるエレクトロニクスは衝突で引き起こされた2次粒子による放射線被爆がおこる。この放射線被爆によりエレクトロニクスは異常動作を行うことがわかっている。この異常動作がどのくらいの頻度で起きるかを計算し、その条件で異常動作を起こしにくい既存の商用素子でより耐放射線性のあるものを特定あるいは見極めなければならない。
異常動作は素子の基本となるトランジスタ内で起こり、おもに比較的低いエネルギーガンマ線による蓄積効果によるもの、それと高いエネルギーをもつ重い粒子(陽子や中性子)による単発的効果によるものに分けられる。われわれはガンマ線による蓄積効果による素子の電気的特性変化を低ガンマ線照射を段階的に行いながら測定した。また陽子サイクロトロンを利用して70MeVの陽子をメモリー素子にあてることによりメモリー記憶データの偶発的変化の数(ビット数)から単発的効果の頻度を見積もった。16年度それらのデータの解析を詳細に行うことにより商用に開発されているさまざまな素子の耐放射線性を見積もった。商用素子については昨年度2回国際会議で3回公表し、またそれをもとにした論文をIEEE Transaction of Nuclear Scienceに投稿した。
17年度はさらに新たに未照射の素子についても実験を行い我々のデータベースを拡張していきたい。さらに一部試験的に実行されているがこれらの貴重な情報をHPを通じて関係各研究者に提供していく道を確立しようと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Irradiation tests of ROHM 0.35um ASIC and Actel Anti-fuse FPGA for the ATLAS muon endcap level-1 trigger system2004

    • 著者名/発表者名
      R.Ichimiya, S.Tsuji, その他
    • 雑誌名

      Proceedings of the tenth workshop on electronics for LHC and future experiments CERN-2004-010

      ページ: 117-121

  • [雑誌論文] Radiation qualification of Commercial-Off-The-Shelf LVDS and G-link serializers and deserializers for the ATLAS endcap muon level-1 trigger system2004

    • 著者名/発表者名
      R.Ichimiya, S.Tsuji, その他
    • 雑誌名

      Proceedings of the tenth workshop on electronics for LHC and future experiments CERN-2004-010

      ページ: 389-393

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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