ゲージ・ヒッグス統一理論に関して、SU(N) gauge groupの理論においてgauge場の高次元成分の1ループ有効ポテンシャルの一般公式を導くことに成功した。そして、超対称性がシャーク・シュワルツによる破れがある場合とソフト・スカラー質量項が入った場合の真空構造の解析に成功した。また、5次元SO(10)理論における真空構造の解析に成功した。その結果、今まで思われていたのとは異なり、6次元に拡張することなく5次元でも現象論的に問題の無いSO(10)理論を構成可能であることを示した。更に、電弱相転移が動力学的にgauge-Higgs統一理論においても起きうることを示した。この場合、バルクに広がった場の表現とそれらの数が重要な役割を果たす。また、オービフォールドでコンパクト化された時空でもファット・ブレインによる模型が作れることを示した。さらに、重力の効果を含めたくりこみ群解析を行い、gauge-Higgs統一理論において電弱相転移が可能か否かを調査した。 また、余次元方向の境界条件でゲージ群があらわに破れる理論において、unitarity保存の条件を調査して、BRS不変性を用いた一般的な保存の証明を行った。他にも、クォーク・レプトンの質量が量子力学的効果に依って導出される機構も考案した。ここでは、flavor symmetryとしてU(2) symmetryを導入した。そして、超対称性があらわに破れる理論の有効ポテンシャルの計算も行い、gauge-Higgs統一理論におけるヒッグス質量に関しての解析も行った。
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