研究課題/領域番号 |
16031211
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤原 康文 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10181421)
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研究分担者 |
斗内 政吉 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 教授 (40207593)
白井 光雲 大阪大学, 産業科学研究科, 助教授 (60178647)
太田 仁 神戸大学, 分子フォトサイエンス研究センター, 教授 (70194173)
藤村 紀文 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50199361)
大渕 博宣 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40312996)
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キーワード | 希土類元素添加半導体 / 半導体スピントロニクス / エルビウム / 有機金属気相エピタキシャル法 |
研究概要 |
本研究では、「デバイスの性能向上をめざした半導体スピントロニクス材料の追究」という観点から「希土類元素添加半導体」を新しい希薄磁性半導体として捕らえ、希土類元素に起因するスピン物性を解明/制御することにターゲットを定める。具体的には、『原子レベルでの結晶成長・不純物添加技術(有機金属気相エピタキシャル(OMVPE)法)』、『ミクロ構造の直接的評価技術(シンクロトロン放射光を用いた蛍光EXAFS法やX線CTR散乱法)』、『各種スピン物性の評価技術(PL法、ESR法、SQUID法)』の有機的結合を基盤として、[1]Er添加GaAsに発現する新奇なスピン物性を、局在スピンを構成する4f電子と遍歴キャリアとの交換相互作用という観点から解明すること、[2]また、その知見を基にして、GaAs中にErを原子のレベルで精密配置したり、不純物添加や外部刺激を用いて遍歴キャリアの種類と量を操作することにより、交換相互作用を人為的に設計・制御し、新しいスピン物性を効果的に発現させること、を目指す。 今年度は、抵抗異常が生じる30K近傍以下の温度領域で、わずかに正の磁化挙動が発現するEr,Zn,O共添加GaAsに着目し、そのスピン物性を系統的に調べた。その結果、(1)Zn添加量の増大とともにEr発光強度が減少すること、(2)Erに起因する電子スピン共鳴(ESR)信号が観測されること、(3)ESR信号が観測される磁場位置は温度に依存しないものの、その信号強度は8K近傍で最大値を示し、それより低温域で急激に減少することを明らかにした。
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