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2004 年度 実績報告書

分子ドレスト状態における核波束実時間追跡:コインシデンス運動量画像法によるアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 16032215
研究機関分子科学研究所

研究代表者

菱川 明栄  分子科学研究所, 極端紫外光科学研究系, 助教授 (50262100)

キーワード強光子場 / コインシデンス運動量画像法 / クーロン爆発 / 自己位相変調 / H_2S / 位置敏感型検出器
研究概要

フェムト秒チタンサファイアレーザーシステムから出力された光パルス(波長800nm,パルス幅<40fs,繰り返し1kHz)の一部を,Arガス(〜0.1Mpa)を充填したセル内に設置された中空ファイバーに導入し,自己位相変調によるスペクトル広帯域化を行った。ファイバー出力後の光パルスを凹面鏡によりコリメートした後、チャープミラー(-45fs^2/refl.)により分散補償を行い,パルス圧縮した。パルス波形をsech^2関数として仮定して自己相関波形から求められたパルス幅は12fsであり,パルスあたりのエネルギーとして0.2mJを得た。得られた12fs光パルスのM^2はM^2<1.6と見積もられ,F/5程度の光学系で集光することで10^<15>W/cm^2を越す光子場強度を得ることが可能である。
コインシデンス運動量画像法により,超短パルス強光子場(14fs,10^<14>W/cm^2)における単一分子のクーロン爆発過程によって生成したすべてのフラグメントイオンを同時検出し,さらにそれぞれの持つ運動量ベクトルを決定した。強光子場(14fs,8.5×10^<13>W/cm^2)中におけるH_2Sの質量スペクトルには解離イオン種,SH^+,S^+,H_2^+,H^+に由来するピークが明瞭に観測され,コインシデジス計測によって,H_2Sの2体クーロン爆発過程には二つの異なる経路,
H_2S^<2+>→SH^++H^+:解離経路(a),
H_2S^<2+>→S^++H_2^+:解離経路(b),
が存在することがわかった。解離経路(a)によって生成したフラグメントイオンの空間分布はレーザーの偏光方向に対して垂直方向にピークを持つ(異方性因子<cos^2θ>=0.31(1))ことが見いだされ,分子主軸(a軸)がレーザー偏光方向に対して平行にあるよりもむしろ垂直にある場合にH_2Sの2重イオン化がおこりやすいことが示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2004 その他

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Hydrogen migration in acetonitrile in intense laser fields studied by coincidence momentum imaging2004

    • 著者名/発表者名
      A.Hishikawa et al.
    • 雑誌名

      Physica Scripta. T110

      ページ: 108-110

  • [雑誌論文] Nuclear dynamics on the light-dressed potential energy surface of CS_2 by coincidence momentum imaging2004

    • 著者名/発表者名
      A.Hishikawa et al.
    • 雑誌名

      Chemical Physics Letters 388

      ページ: 1-6

  • [雑誌論文] Hydrogen migration in acetonitrile in intense laser fields in competition with two-body Coulomb explosion2004

    • 著者名/発表者名
      A.Hishikawa et al.
    • 雑誌名

      Journal of electron spectroscopy and related phenomena 141

      ページ: 195-200

  • [雑誌論文] Probing the ultrafast nuclear motion in CS_2^<2+> in intense laser fields

    • 著者名/発表者名
      A.Hishikawa et al.
    • 雑誌名

      Journal of Chemical Physics (印刷中)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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