研究課題
本研究の目的は、和周波混合による領域研究の目標に則した真空紫外領域における高出力光源の実現にあり、今年度はその要素技術となる全固体紫外レーザーの高出力化、および紫外レーザー結晶を用いた共振器からの短パルス発生に的を絞った研究を行った。まず全固体紫外レーザーの高出力化に関しては、高出力レーザーパルス発生を可能にするための紫外レーザー結晶を用いたサイドポンプレーザー増幅システムの設計と構築を進めた。Ce:LiCAF結晶の吸収係数、小信号利得係数、セルマイヤー方程式等のデータに基づき入力及び出力パルス用に2つのブリュースター面、励起パルス用には、2つのブリュースター入射面と内部反射用の2つの直行した面を持つ形状を設計し、レーザーパルスの増幅を行った結果、6.8%の取り出し効率で32mJの出力パルス(波長290nm)を得ることに成功した。また、紫外レーザー結晶を用いた共振器から直接短パルスを発生させるため、可飽和吸収体の開発に着手した。具体的には、光源にはNd:YAGレーザーの第4高調波を用い、Zスキャン法を用いて可飽和吸収体としてのCe:LiCAF結晶の透過率の測定を行った。その結果、フルーエンスの変化により透過率は変化し、飽和も観測された。小信号吸収と励起状態吸収の割合は1.4と見積もられ、過飽和吸収体としては比較的低い値になっているが、本研究により紫外領域で初めてとなる固体可飽和吸収体を示した。
すべて 2004
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