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2004 年度 実績報告書

不斉加水分解を志向した含水系反応場における錯体制御

研究課題

研究課題/領域番号 16033204
研究機関北海道大学

研究代表者

徳永 信  北海道大学, 触媒化学研究センター, 助教授 (40301767)

研究分担者 大洞 康嗣  北海道大学, 触媒化学研究センター, 助手 (50312418)
キーワード加水分解 / 加アルコール分解 / コバルト触媒 / パラジウム触媒 / 不斉合成 / 軸不斉化合物
研究概要

加水分解や加アルコール分解反応を人工触媒で行い、選択性を発言させようという方針で研究を行っている。本研究では、生体触媒による加水分解反応や、従来の人工酵素による反応を実用性で上回る新手法を開発することを目標に金属錯体触媒の開発を進めた。具体的には、従来からよく用いられているニトロフェノール類のエステルは使わず、さらにpH調整用緩衝液を用いないことを前提にした。これまでにビニルエステルおよびビニルエーテル類が各種の金属錯体により速やかに加水分解されることを既に見出しており、この知見を基に不斉反応化に取り組んだ。
コバルトサレン触媒がビニルエーテル類の不斉加水分解反応において、比較的高い選択性を示すことがわかった。これまで最高で、k_<rel>=10.0が観測され、62%convnで90%eeの未反応原料が得られている。さらに、パラジウムジアミン錯体により不斉加アルコール分解反応が高い選択性で行えることがわかってきた。不斉反応の基質としては2,2'-ジヒドロキシ-1,1'-ビアリール類のモノアシルモノビニル体を用いた。その結果、アシル基としてピバロイル基を用いた場合、ビナフトール類でk_<rel>=12-21、ビフェノール類でk_<rel>=12-35の選択性が出せることがわかってきた。例えば、6,6'-ジメキシ-2,2'-ジヒドロキシ-1,1'-ビフェノールのモノピバロイル、モノビニル体のメタノール分解において、パラジウムジアミン錯体を用いたとき、55%convnで95%eeの未反応原料を回収することができる。触媒量を5mol%から1mol%に下げても選択性は維持される。なお、このとき、不斉ジアミン配位子としてはテトラフェニルフェニル基を有するものを用いた。本反応の一般性は高く、これまで不斉合成が困難だった2,2'-ジヒドロキシ-1,1'-ビフェノール類の不斉合成に広く適用できることがわかった。さらに、アルコールとして2-クロロエタノールを用いた場合にはk_<rel>=40まで向上した。今後さらに合成的な応用や機構研究を行う。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 水やアミンを反応剤に用いる位置および立体選択的反応2005

    • 著者名/発表者名
      徳永 信
    • 雑誌名

      有機合成化学協会誌 63・1

      ページ: 20-27

  • [雑誌論文] 水の付加反応をいかにコントロールするか2005

    • 著者名/発表者名
      徳永 信
    • 雑誌名

      月刊「現代化学」 408

      ページ: 55-61

  • [雑誌論文] 絶対不斉合成の新アイデア:マクロな不斉環境を人間の手で設定する2004

    • 著者名/発表者名
      徳永 信
    • 雑誌名

      月刊「化学」 59・8

      ページ: 64-65

  • [雑誌論文] 水を反応させる有機化学反応2004

    • 著者名/発表者名
      徳永 信
    • 雑誌名

      月刊「化学工業」 55・9

      ページ: 697-703

  • [産業財産権] 光学活性化合物の製造方法、及びその触媒2005

    • 発明者名
      徳永 信他
    • 権利者名
      北海道大学
    • 産業財産権番号
      特願2005-1584
    • 出願年月日
      2005-01-06

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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