研究課題/領域番号 |
16033209
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮下 徳治 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (40124630)
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研究分担者 |
三ツ石 方也 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (70333903)
松井 淳 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (50361184)
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キーワード | 高分子ナノシート / Langmuir-Blodgett法 / エネルギー移動 / 光二量化反応 / 光メモリー |
研究概要 |
Langmuir-Blodgett法を用いて作製される高分子ナノシートは分子レベルでの機能団の集積・組織化が容易であり、異なった分子を高秩序に配列することによる高次機能の発現が期待される。そこで昨年度はルテニウム錯体とアントラセン間の3重項-3重項エネルギー移動およびAnの光二量化反応を応用した発光型メモリーについて報告した。本年度はこの現象を多波長型メモリー素子へと応用するためフェナンスレン(Phen)を有する高分子ナノシートとAnナノシートを組み合わせて発光型メモリー素子の作製を試みた。 1.PhenナノシートからAnナノシートを用いた発光型メモリー (1)PhenナノシートからAnナノシートへの1重項-1重項エネルギー移動 Phenナノシート上にAnナノシートを積層しPhenを298nmで選択的に励起するとPhenからの発光は観測されずAnからの発光が観測された。これは励起されたPhenからAnへ高効率な1重項-1重項エネルギー移動が起こったためと考えられる。 (2)エネルギー、電子移動と光二量化を用いた発光型メモリー Phenナノシート上にAnナノシートをさらにAnナノシート上にエネルギーアクセプター(A)ナノシートを積層しPhenを298nmで選択的に励起するとPhenからAnへのエネルギー移動またAnからAへの電子移動によりナノシート積層体からの発光は消光される。つづいて368nmの光を積層体に照射しAnの光二量化反応を行うとPhenからAnへのエネルギー移動が阻害されるため積層体からPhenの発光が観測される。これより368nmを書き込み光298nmを読み出し光とした発光型メモリーの作製に成功した。 2.多波長型メモリーの構築。 上記のPhenとAnおよび昨年度のRuとAnの系を組み合わせた多波長型メモリーについて作製を現在試みている。
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