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2005 年度 実績報告書

分子内配位を利用した高配位ケイ素反応剤を用いる遷移金属触媒反応

研究課題

研究課題/領域番号 16033234
研究機関京都大学

研究代表者

檜山 爲次郎  京都大学, 工学研究科, 教授 (90026295)

キーワードパラジウム / 交差カップリング反応 / ビアリール合成 / ケイ素 / ロジウム / 1,4-付加反応 / 1,2-付加反応 / 不斉合成
研究概要

有機ケイ素化合物を炭素求核剤として用いる合成反応は,ケイ素が天然に豊富に存在し,安定かつ無毒であるのでグリーンケミストリーの観点から重要性が極めて高い.しかしながら炭素-ケイ素結合の分極が小さく求核性が低いため,フッ化物イオンなどの求核剤を用いて五配位シリカートを形成させる必要があり,さらにこれを容易にするためにケイ素上に酸素やハロゲンなどを置換して,ケイ素のルイス酸性を向上させなければならない.これらのケイ素反応剤は湿気や酸・塩基に対して不安定なため,ケイ素化合物の利点を明らかに損ねており,有機ケイ素化合物の合成反応は簡便でないとの印象を与えている.本研究では,有機ケイ素化合物が安定でさまざまな変換反応に耐えることを利用して,ケイ素上に活性化部位を有する新しいケイ素反応剤を設計・合成し,炭素-ケイ素結合の活性化をより効率的に行い,これを交差カップリング反応やカルボニル付加反応に利用することを検討した.本年度は,アリールシラン反応剤を用いる交差カップリング反応を検討した結果,アリール[2-(ヒドロキシメチル)フェニル]ジメチルシランが,パラジウム/銅触媒存在下,炭酸カリウムを塩基として用いるきわめて穏和な条件で,種々の臭化および塩化アリールと交差カップリング反応することを明らかにした.本反応によって,様々な官能基を有するビアリールを高収率で合成できるうえ,反応はグラムスケールで行っても再現性よく進行し,反応後にケイ素の残査である環状シリルエーテルを減圧蒸留によって回収し,アリールシラン反応剤の合成に再利用できることも分かった.また本アリールシラン反応剤を用いると,スズやホウ素など従来有機ケイ素化合物よりも反応性がより高いと考えられていたメタロイド元素の存在下,炭素-ケイ素結合の活性化が選択的に行えることも明らかにした.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Alkenyl- and Aryl[2-(hydroxymethyl)phenyl]dimethylsilanes : An Entry to Tetraorganosilicon Reagents for the Silicon-Based Cross-Coupling Reaction2005

    • 著者名/発表者名
      Y.Nakao, H.Imanaka, A.K.Sahoo, A.Yada, T.Hiyama
    • 雑誌名

      J.Am.Chem.Soc. 127

      ページ: 6952-6953

  • [産業財産権] 含ケイ素クロスカップリング反応剤およびこれを用いる有機化合物の製造方法2005

    • 発明者名
      中尾 佳亮, 檜山 爲次郎
    • 権利者名
      京都大学
    • 産業財産権番号
      特願2005-117452
    • 出願年月日
      2005-04-14

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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