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2005 年度 実績報告書

ボウル型共役配位子を有する金属錯体の動的挙動と機能

研究課題

研究課題/領域番号 16033236
研究機関分子科学研究所

研究代表者

櫻井 英博  分子科学研究所, 分子スケールナノサイエンスセンター, 助教授 (00262147)

キーワードヘテロバッキーボウル / トリアザスマネン / キラリティ / エナンチオマー / 超分子
研究概要

フラーレンの炭素の一部を他のヘテロ原子で置き換えた「ヘテロフラーレン」類、あるいはその部分構造である「ヘテロバッキーボウル」は、フラーレン類とは異なる独自の電子状態を有している。またヘテロ原子を足がかりに様々な金属との錯形成、官能基の導入が可能である。したがって、次世代電子材料、医薬、触媒分子としての広範な応用が期待される。さらに、ヘテロ原子の組み合わせによりほぼ無限のバリエーションが可能である。本研究では、これらの物質群の簡便かつ汎用的な合成手法を開発することを目的としている。
本年度はトリアザスマネンの合成研究を行い、その骨格合成に成功した。トリアザスマネンはスマネンの外殻6員環の骨格部位に3ヶ所窒素原子を導入した化合物である。これまで含窒素ヘテロバッキーボウルの合成例はなく、また、スマネンと比較して電子受容性のピリジン環を3ヶ所有することになるので、電導性挙動にも大きな違いが生じると考えられる。また、配位性ピリジンユニットが外殻部に存在するため、遷移金属などとの配位結合を利用して、超分子錯体による高次構造を容易に形成することが期待される。さらに、トリアザスマネンはボウル構造自身にキラリティを有している。このようなボウルキラリティを有するバッキーボウルの合成例・単離例はなく、今回その骨格合成に成功したことで、その物性に興味が持たれる。
以上、本年度において世界で初めての、含窒素ヘテロバッキーボウルであり、かつボウルキラリティを有するバッキーボウルのエナンチオマーの合成に成功した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Synthesis and Characterization of Neutral and Oxidized Forms of (Benzimidazolylidene)pentacarbonylchromium(0) Complexes2005

    • 著者名/発表者名
      H.Sakurai, K.Sugitani, T.Moriuchi, T.Hirao
    • 雑誌名

      Journal of Organometallic Chemistry 690

      ページ: 1750-1755

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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