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2004 年度 実績報告書

シアナミド架橋の柔構造を利用した多核錯体の合成戦略と高次構造化

研究課題

研究課題/領域番号 16033257
研究機関中央大学

研究代表者

石井 洋一  中央大学, 理工学部, 教授 (40193263)

キーワードシアナミド架橋 / コバルト / ロジウム / マクロサイクル型錯体 / 引き伸ばされたキュバン型錯体 / ルテニウム / side-onニトリル / チタン
研究概要

シアナミド架橋多核錯体の中でも、三核以上のコアを持つものに関しては、これまでその合成法はほとんど未知である。本研究ではシアナミド架橋によりどのような構造および反応性を持つ多核コアを構築できるのか、前周期から後周期まで幅広い遷移金属元素に対して検討することを目的として、以下の研究を実施した。
まず、これまでの研究でイリジウム(III)では一連の四核および二核シアナミド架橋錯体が得られることが判明していることから、同属のコバルト、ロジウムについて検討した。コバルト(III)ではマクロサイクル型錯体[(Cp^*Col)_4(NCNH)_4]および引き伸ばされたキュバン型錯体[(Cp^*Co)(NCN-N,N,N')_3(CpCo)_3(NCN-N,N,N)]が得られること、ロジウム(III)では引き伸ばされたキュバン型錯体のみが単離されることが判明したが、イリジウムとは異なりいずれにおいてもキュバン型錯体への変換は見られない。また、コバルト(II)ではアニオン性三核錯体[(Cp^*Co)_3(NCN)_2]^-が生成した。
一方、平成15年度に開発したルテニウム三核クラスター[(Cp^*Ru)_3(NCN)_2]^-の反応性を詳しく検討した結果、過剰のHClとの反応では三核コアの酸化を伴って、ニトリル部分でside-on配位したシアナミド錯体[(Cp^*Ru)_3Cl(NCN)(NCNH_2)]^+が生成すること、ボランとの反応ではモノ(ボラン)アダクト、ビス(ボラン)アダクトが順次生成することを見出した。前者の反応で得られた錯体のside-onニトリル部分はニトリルの配位様式として新規なものであり、興味深い。
このほか、チタン三核錯体[(CpTiClO)_3]からは2つのシアナミド架橋で結ばれたチタン六核錯体の合成など、新規な多核骨格の構築にも成功した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] A Cyanamido-Bridged Diiridium Complex : A Reactive Building Block for Polynuclear Cyanamido Complexes2005

    • 著者名/発表者名
      Hidenobu Kajitani
    • 雑誌名

      Organometallics 24(in press)

  • [雑誌論文] Synthesis, Structures, and Solution Behavior of Di- and Trinuclear Titanium(IV)-Cyclophosphato Complexes2004

    • 著者名/発表者名
      Sou Kamimura
    • 雑誌名

      Inorganic Chemistry 43

      ページ: 6127-6129

  • [図書] Multimetallic Catalysis in Organic Synthesis2004

    • 著者名/発表者名
      Youichi Ishii
    • 総ページ数
      295
    • 出版者
      Wiley-VCH

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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