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2004 年度 実績報告書

次元性制御を目指したπ-電子系ドナー分子素子の創成

研究課題

研究課題/領域番号 16038216
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

迫 克也  名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (90235234)

キーワードテトラチアフルバレン(TTF) / シクロファン / 直交π-電子系 / 分子内電子移動 / 次元性制御 / π-電子系ドナー
研究概要

[3.3]パラシクロファンにTTFドナーを直交させたπ-電子系を組み込んだ三次元的なπ-電子系を有するドナー分子であるDT-TTF直交型シクロファン1は、(1)直交したπ-電子系間での電子移動(2)分子内電荷分離(3)電子移動の方向性制御(4)ドナーユニット間の相互作用などが期待できる。さらに1をアセチレン等で架橋したDT-TTF直交型シクロファン二量体では、三次元的なπ-電子系を有機的に構築することにより、オリゴマーへの高次元化も可能である。そこで、二つのドナーを組み込んだDT-TTF直交型シクロファン1および、基本ユニットである1,3-dithiol-2-ylideneを組み込んだDT直交型シクロファン2を合成し、その性質について検討した。
DT-TTF、DT直交型シクロファン1、2のジクロロメタン中での電子スペクトルより、2よりも1の方が吸収極大波長、吸収末端も長波長にシフトしており、1、2共にドナーユニット(DT、DT-TTF)からベンゼン環への電荷移動相互作用の可能性が示唆された。また、1、2、3のサイクリックボルタンメトリーからDT-TTF直交型シクロファン1では、五つの酸化還元過程が観測され、第一・第二・第三・第四酸化還元過程はDT-TTF部位に、第五酸化還元過程はシクロファンベンゼンに由来する。第一・第二・第三酸化還元過程は可逆、第四酸化還元過程は準可逆、第五酸化還元過程は不可逆であった。また1は2よりも0.1V以上第一酸化還元電位が小さく、第一・第二酸化還元電位の差(ΔE)も0.1V以上小さくなっており、1ではドナー性の向上、クーロン反発の減少とDT-TTF間の相互作用が存在することが示された。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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