研究概要 |
磁場や電場に反応して多機能性が発現される流体(高機能性流体)を用いて,様々な応用機器の開発や,それらに関する基礎的研究や応用研究が現在まで盛んに行われてきている.しかしながら,ナノテクノロジや宇宙開発,バイオテクノロジなどへの応用が期待されている新分野に対して,これらの流体を工学的に利用する際には,いまだ解明すべき多くの不明点や問題点が残されており,新たな展開が望まれている.そこで,本研究代表者らは,新しい高機能性流体を開発する上で,金属ガラスを流体的に利用する方法に着目し,平成15年から研究に着手している.この金属ガラスの工学的利用に関する研究は,ますます発展することが期待されているが,本研究のように,流体的に利用する工学的技術の開発研究は,国内外を見回しても今までに存在しない. そこで,本研究では,まず,本研究分担者の一人により,微粒化された金属ガラス(1μmオーダーの球形微粒子)を化学的に作成することに成功している技術を使って,部粒子を作成した.次に,この微粒子化した金属ガラスを磁性流体と混合することにより,新しい金属ガラス混合流体を作成した.これは,磁場に反応する流体となるため,磁場を利用して,溶媒中において金属ガラス微粒子の挙動を制御することにより,この新しい金属ガラス混合流体の特性を変化させることができるので,マイクロ・ナノ研磨,新しい流体粘性ダンパ,新複合材料などと言った幅広い工学的利用技術への展開が可能である.すなわち,次に,この微粒化した金属ガラスの流体中における構造,物性,磁化特性,粘度特性を明らかにした.また,研磨に用いて研磨試験を行った.これについては現在,研磨特性を検証中である.さらに,新複合材料として,プラスティック内に混合させた材料を作成し,磁化特性の異方性について明らかにした.
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